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新卒採用セミナーで講演するエン・ジャパンの越智通勝会長

新卒採用セミナーで講演するエン・ジャパンの越智通勝会長

人材サービス業界で急成長し、6月11日にジャスダックから東証1部に市場変更する予定のエン・ジャパン。社員2500人の規模になった今でも、トップが年に60回も登壇し、延べ約100時間、学生に語りかける新卒採用セミナーを続けている。創業者の越智通勝会長は最近の働き方改革を「優しさ改革になっている」と危機感をあらわにする。時代に逆行して「ワークハードすべきだ」と訴える、その真意とは。

トップセミナーは踏み絵

――新卒採用セミナーは30年以上続けているそうです。なぜ今も登壇するのですか。

「大体、従業員数100人を超えるとやらない企業が増えるのですが、人材の会社だからこそ、学生に直接伝えたいという使命感があります。創業間もない頃から新卒採用を大事にしており、力を入れています。価値観の合わない学生を避け、考え方の合う学生を採用していきたい。ミスマッチを防ぐためで、トップセミナーは踏み絵のようなものです」

「テレマーケティング会社が『経営コンサルティングの会社だ』と大げさに言うなど、採用活動ではよく見せようとする企業が多い。当社は創業から一貫して、考え方や社風などを正直に包み隠さず伝えてきた。入社したらわかることです。化粧しないでおこう、正直に伝えようという方針でやっています」

――セミナーを通じて何を伝えようとしていますか。

「他人の言うことを真に受けないで、ということです。ある大学の学内にこんな看板がありました。『なぜ、という言葉を忘れたときに学生は死ぬ』。まさにその通りで、働きながら疑問を言える人にならないといけない。当社はそういう社風にしています」

「疑問を何度も互いにぶつけあって、その先にようやく共感が生まれる。問題や課題を発見できる人に来てほしい。話を聞いて舞い上がってしまう、うのみにしてしまう人でない方がいい。セミナー後のアンケートで、あえて賛成できなかった点を聞いているのですが、そこをきちんと書いている学生は優先的に選んでいます」

入社後3年間は仕事に打ち込め

――セミナーでは「ワークハード」という言葉が何度も出てきました。このご時世、反発はありませんか。

「世の中の流れに逆行していますが、学生からは『よく言ってくれました』とポジティブな反応が多い。働き方改革で疑問なのは、人口減少で右肩下がりの経済のなかで『残業するな』とは一体どういうことなのか。福利厚生の話ばかりで、どうやって働いたらいいのかという指針がない。ワーク・ライフ・バランスのワークはどこへ行ったのでしょうか」

「海外で成長している企業の標語には『ワークハード』が入っています。アマゾン・ドット・コム、グーグル、アップル、フェイスブック、アリババ集団、百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)……。デジタルジャイアンツと呼ばれる巨大IT(情報技術)7社は米国か中国です。ワーク・ライフ・バランスは欧州の概念ですが、7社には欧州企業は1つもありません」

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