attend to…だと世話することに 前置詞で変わる意味
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(22)attend
言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、attend の使い方。「出席する」という意味で使うときは他動詞。うっかり to を入れてしまうと、意味が変わってしまいます。
◇ ◇ ◇
勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
英語には自動詞と他動詞があります。他動詞は「目的語」をとり、自動詞は「目的語」を必要としません。英語に慣れてきたとはいえ、ヒロシはまだまだそこまで気を使って英語を話すことができません。昨日「セミナーでの世話役」をしてきたというヒロシのひと言がやはり理解できないナンシーだったのですが……。
それはこんな会話でした。
Hiroshi: I attended to the seminar.
Nancy: Who?
Hiroshi: Me.
Nancy: You attended you?!
ヒロシは期せずしてこのように言ったことになります。
ひろし:セミナーで世話役をしていました。
ナンシー:誰の?
ひろし:私ですが……。
ナンシー:自分で自分の世話役をしたわけ?!
ヒロシは「会議に出席する」という意味から attend to the meeting と言ったわけです。 attend to… には「出席する」の直接の意味はありません。attend to… は「~の世話をする、面倒を見る、注意深く耳を傾ける」などの意味。attend to the meeting であれば「会合で世話役をする」、take care of the meeting が同意語になります。attend to his farewell party であれば「彼の送別会の世話役をする」、またI have to attend to my sick mother-in-law while I'm at home. であれば「家にいるときは、病気の義母の世話をしなければなりません」となります。
では、どう言えばよかったのでしょう。