朝食こそ鶏肉&魚水煮缶 疲労回復、若返り効果も

日経ヘルス

鶏胸肉は抜群の疲労軽減効果 手のひら大(約100g)でたんぱく質量20gをクリア

【鶏胸肉はここに効く】
1 手のひらサイズで筋肉量が増える
2 疲労を軽減する
3 記憶力を改善

1食分のたんぱく質を手のひらサイズでまかなえる鶏肉は、筋肉合成に必要だが人間の体内では作れない必須アミノ酸を効率よくとれる優良食材だ。なかでも、胸肉やささみには、抗疲労作用があると注目の「イミダゾールジペプチド」も多く含まれている。

イミダゾールジペプチドは鶏胸肉に多く含まれる
イミダゾールジペプチド(アンセリン、カルノシン)は鶏肉や豚肉に多いが、特に鶏胸肉、ささみに豊富。(データ:日本畜産学会第107回大会で佐藤三佳子研究員らが発表)
イミダゾールジペプチドの含有量の比較

イミダゾールジペプチドとは、脊椎動物の骨格筋や脳に多く含まれるカルノシンやアンセリンという成分の総称。大阪市立大学の渡辺恭良さんは「疲労すると細胞は酸化というダメージを受けるが、イミダゾールジペプチドは、抗酸化作用により酸化ダメージを軽減し、疲労を軽減する働きに優れている」と説明する。また、最近では加齢によって低下する記憶機能が、イミダゾールジペプチドで改善したという報告もある。

ヒトを対象とした研究では、1日200mgのイミダゾールジペプチドで、疲労感の軽減が確認されている。「これは鶏胸肉22 g程度の量だが、体への吸収効率を考えると100gはとっておきたい。豚ロース肉だと300gは必要になるので、そう考えると鶏胸肉は効率がいい」(渡辺さん)。

和洋女子大学家政学部健康栄養学科教授の柳澤幸江さんは「忙しい女性は、朝も昼も食事を簡単にすませがちで、たんぱく質不足。鶏胸肉はかみ応えもあり、よくかむことで満腹中枢を刺激し、食欲を抑える効果も期待できる」と言う。

魚の水煮缶は細胞から若返り 2切れ(約120~150g)でたんぱく質量20gをクリア

【魚の水煮缶はここに効く】
1 1/2~1缶でたんぱく質がしっかりとれる
2 筋肉がつきやすく疲れにくい
3 EPA/DHAがとれる

サバや鮭などの魚の水煮缶1缶に含まれるたんぱく質量は20~40g。1/2缶~1缶でたんぱく質量20gをとれる。旬の魚を新鮮な状態で閉じ込め、「EPAやDHAといったn-3系脂肪酸をたっぷりとることができるのも水煮缶のいいところ」とマルハニチロ市販用缶詰課の野崎あかりさん。実は、このEPAやDHAにも筋肉の合成を促す働きがある。細胞膜を柔らかくするなど、全身の細胞を若く保つ働きも知られている。朝とると吸収されやすいという研究があることから、朝食で水煮缶を取るのがお薦めだ。

魚油は朝とると吸収がいい
マウスを、魚油を与えない群、朝食に魚油を与える群、夕食に魚油を与える群の3群に分けて2週間飼育した。朝食に与えた群で血中のEPA・DHA量が明らかに高く、脂質代謝の改善も見られた(データ:第23回日本時間生物学会学術大会で、産業技術総合研究所とマルハニチロが発表)
魚油を与えない群、朝食に魚油を与える群、夕食に魚油を与える群の比較

また、ツナ缶の材料となるマグロなどの回遊魚には、イミダゾールジペプチドのアンセリンが豊富に含まれている。ヒトを対象とした研究では、筋肉疲労や精神的な疲労、眼精疲労の軽減効果も報告されている。「アンセリンは、魚の筋肉部分に豊富。マグロやカツオは身100g中600~1000mg程度のアンセリンを含有する場合もある」(同社中央研究所課長で農学博士の玉井忠和さん)。

柳澤さんは、鮭やサバに豊富なビタミンDとカルシウムにも着目。「1/2缶程度食べるだけで、『日本人の食事摂取基準2015年版』にある成人女性のビタミンD1日目安量、5.5μgを十分に満たすことができる。ビタミンDは腸管でのカルシウム吸収を促すので、両方の成分を一緒にとれる魚の水煮缶は骨の健康を考えるととても効率がいい。骨量を維持して骨粗しょう症を防ぐために日々とっておきたい食材だ」と語る。

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