上品さ+ゴム長級の防水 雨が楽しいビジネス靴3選
雨の日も安心 最新防水シューズ(下)
雨のシーズンになると気になるのが足元。最近は防水に見えないデザインの靴が増えている。「梅雨の通勤が快適 スーツに合う本革の防水ビジネス靴」「防水なのに軽快デザイン 梅雨に履きたいスニーカー」に続いて、今回紹介するのは前2回を上回る防水性を持つ靴3モデル。「ゴム長」クラスの完全防水なのに、ビジネスにも対応する上品さが魅力だ。
雨上がりも違和感ないハンターのローファー
1856年設立のレインシューズブランド、ハンター(HUNTER)。英国王室も愛用するブランドとしても知られるハンターは、日本でもラバーブーツが女性から圧倒的な支持を得ており、雨の日の電車ではハンターのブーツを履いている女性を見かけることも多い。
ハンターのフットウエアは、すべて防水・はっ水性を備えているのが特徴で、老舗ブランドだけに信頼性も高い。ラインアップは女性向けシューズが多いものの、なかにはメンズ展開モデルもある。今回紹介するペニーローファーもそのひとつだ。
ハンターのレインブーツなどに使われている天然ラバー素材を用い、ハンドクラフトによりパテントレザーのような光沢を実現。ゴム製シューズには見えない上品なルックスに仕上がっているため、ビジネスウエアにも難なく合わせられる。雨の日はもちろんのこと、雨が上がっても違和感なく着用できる。
「ブランド全体の売り上げは好調に推移している」というハンターだが、Hunter Japan PR&マーケティング アシスタントマネージャーの長谷川亜紀氏によると「梅雨の時期は特に需要が高まる」とのこと。「ペニーローファーは完全防水仕様ながらスタイリッシュで、スーツスタイルにもぴったり。雨の日の通勤から旅行やレジャーまで、日常的に使える全天候型シューズとなっています」
まるで本革製 レインファブズのチャッカブーツ
レインブーツ専門ブランド、レインファブズ(RAINFUBS)のチャッカブーツは、PVC(塩化ビニール樹脂)製の完全防水でありながら、まるで本革のようなルックスが特徴だ。
「1年を通して雨の多い日本。しかし男性用のレインシューズでスーツに合うデザインのものは少ないのが現状です。そこで天候に関係なく、ビジネスパーソンがおしゃれで快適に過ごせるレインブーツを提供したいと考え開発しましたのがPLUBO(プルーヴォ)です」(同ブランドを展開するラズドライブのクリエイティブディレクター 中村藍氏)
レインブーツでは表現しにくい、本物の革靴のような履きジワや質感、細部のステッチまでを、フェイクとは思えないほど忠実に再現している。これは型取り前の同社製革靴を1カ月間履き込み、自然な着用ジワをつけた後に型取りを行い、その型に絶妙な配合のPVCを流し込み作成したという。一体成型なのでつなぎ目はなく、つま先やステッチから水が染み込む心配もない。
履き心地にもこだわっており、履き口に靴擦れを軽減するガードを設け、クッション性の高い抗菌防臭加工のインソールを装着。通勤や雨上がりの街でも長時間快適に過ごせるレインブーツとなっている。
「レインブーツはレディースではファッションとして当たり前のアイテムになっていますが、メンズでも現在注目され始めていると感じています」と中村氏。レインファブズの売り上げは好調に推移しているが、特にメンズの販売数は拡大傾向にあるという。購買層は「レインシューズにもデザイン性と履き心地を求める30~40代のビジネスパーソンが多い」そうだ。
清潔感を保てるクチデザインのウイングチップ
スーツスタイルに最適な短靴タイプのPVC製レインシューズを展開しているクチデザイン。その美しいツヤとリアルな縫い目は、まるで革靴のよう。スタイリッシュなウイングチップで、ビジネスにもカジュアルにも履ける汎用性の高さも見逃せない。
PVCのなかでも強度に優れた素材を使用。一般的なレインブーツは、片足の左半分と右半分をつなげて成型するものが多く、劣化してくるとつなぎ目からひび割れしやすいが、このシューズは一体成型。継ぎ目がなく、ひび割れに強い。耐光性に優れており、変色もしにくいという。
履き心地にも配慮し、足の甲が当たるシュータンにはPVCではなく防水加工を施した合皮を採用。クッション性に優れたインソールは取り外し可能で、簡単に陰干しできる。完全防水のために蒸れて汗をかきやすいレインシューズだけに、清潔に保つことができる配慮はうれしい。
「降水量が増える5~7月、また台風の多い10月に売り上げが伸びる傾向にあります」(同ブランドを展開するオーズの商品企画部 堀花奈子氏)。30~40代のビジネスパーソンから支持されており、「晴れの日にはいても違和感がない」「営業職なので、会社の置き靴にしている」という声もあるという。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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