世界の株式相場は年初から足踏み状態で、昨年までのような継続的な上昇は期待しにくい。かといって、先んじて調整したハイイールド債などの「高利回りもの」もまだ下げ切った感がなく、逆張り投資を始めるには少々早すぎる気がする。世界経済や資産市場の方向感がもう少しみえるまで、新規資金の投入を手控えるのは、確かに有力な対応策だ。

保有資産の一時退避先を考える

一方、現在保有している金融資産については、資産運用の教科書通り、投資対象の分散を徹底してリスクを抑制する方法がある。

吉井氏が資金の一時避難場所として候補に挙げるのは国内REIT型投信だ。利回りが債券などに比べて高いうえ、今のところは国内の金利動向は落ち着いており、米長期金利の上昇が与える影響はさほど大きくなさそうという。

海外債券型の投信なら、「市場環境に合わせて投資先を選択するアクティブ型を買う」(吉井氏)という手がある。例えば「ひとくふう世界国債ファンド(ヘッジあり)」(大和住銀投信投資顧問)は、価格変動率(ボラティリティ―)の大きさを基準に投資する国債を選別しており、現在は米国債を組み入れていない。設定は2016年で同投信の運用履歴は短いが、マザーファンドには大手の年金基金などが投資している。

もっと保守的な避難場所を選びたいなら、国内債券型も対象になる。その場合、日本国債は利回りが低すぎて魅力がないため、消去法によって社債などで運用する投信が浮上する。「ノーロード明治安田社債アクティブ」(明治安田アセットマネジメント)は年率1%程度と、銀行預金よりは有利なリターンが期待できそうだ。ただし、もともと期待リターンの水準は低いので、国内の債券市場に異変が起きたらすぐに逃げるなど、機敏な対応が求められる。

長期運用、急落相場は仕込み時

積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)を使って10年単位の資産形成に取り組んでいるなら、市場環境をあれこれ悩む必要はない。そもそも、相場の先行きなどは運用のプロでもなかなか見通せないし、仮に資産価格が大きく下がったとしても、長期運用ならば挽回する時間の余裕は十分にあるからだ。

大きな下げ相場があれば、そのときは「絶好の仕込み時」と割り切って、資産運用を継続してほしい。

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