「女性も議員に」自ら奮闘 子育て世代・未経験者促す

子連れで議会、周りが支えに 沖縄・北谷町議の宮里歩さん

沖縄県の北谷(ちゃたん)町議の宮里歩さん(39、共産)は長女が1歳になる今春までベビーカーを押して登庁していた。子連れでは議場に入れない。保育スペースになったのは議員控室の和室だ。

町議18人全員が控室の使用に同意した。宮里さんは自己負担でベビーシッターを雇い、休憩時間に控室に戻り授乳した。産前産後に休みも取得。町議会は、議員が事前に産休のための欠席届を提出できると会則で決めた。報酬の減額もない。「議会は欠席するが、議員活動をすべて休むわけではない」との判断だ。

出産後、議長は「議会中でも外して授乳していいよ」と気遣った。他の女性議員たちは子どものための荷物も多い宮里さんに、会期中は議会に近い駐車場を確保するよう議会事務局に掛け合った。事務局も哺乳瓶を洗う台所や食事を温めるレンジを提供。男性議員らから「子どもは社会全体で育てていこうね」と優しく声を掛けられ「安心して仕事ができた」と宮里さん。

長女は保育所に通い始め、宮里さんの子連れ議会出勤は終わった。自身の妊娠や出産、育児を通じ子育て世代の悩みが見えてきた。「お父さんやお母さんが子どもたちを連れて議会を傍聴でき、政治を身近に感じる仕組みを作りたい」と話す。

政治における男女共同参画推進法 国政選挙や地方議会の選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう、各政党に目標設定などを課す。ただ努力義務なので、実効性を高めるには「どの党が目標を作り守っているか、有権者が投票時に意識することが重要」(公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センターの久保公子事務局長)。また地方議会には無所属議員も多く、その支援も急務だ。

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働きやすい環境作りを ~取材を終えて~

地方議員は当選した地域の自治体と仕事で深い関係がないなどの条件を満たせば兼業できる。選挙資金も国政と比べて少なく、個人でも調達可能な額といえ、出馬のハードルは思われているより低い。

だが日本では国政、地方議会ともに女性議員の割合は1割にとどまる。一因には、女性の政治参画が長く阻まれていたため「政治は男性のもの」との見方が根付いたこともありそうだ。

意欲や能力があっても働きやすい環境がないと手をあげる女性は増えない。家事、育児、介護など女性の負担は依然、男性より大きい。議員の仕事と両立しやすい制度や施設を優先して整え、女性の政治参加を「当たり前」にできるかどうか問われている。

(近藤英次、白岩ひおな)

[日本経済新聞朝刊2018年6月4日付]

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