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食の達人コラム

塩麹・塩レモンの次は塩マッサ ポルトガルの「味噌」 魅惑のソルトワールド(18)

2018/6/8

塩マッサ入りポテトサラダ。混ぜるだけで彩りが美しくなる

 塩は調味の基本となる「さしすせそ(砂糖・塩・酢・しょうゆ・味噌)」の中に数えられている。だが、よく考えると「酢」「しょうゆ」「味噌」はその主たる原材料に塩があり、塩を使って作られているので、ある意味「塩調味料」とも言える。

 塩調味料で記憶に新しいのが、一大ブームとなった「塩麹(こうじ)」。古くからあったものではあるが、ブームを経て見事に復活を果たし、すっかり一般家庭に定着した。その次に来たのは「塩レモン」だ。レモンを塩で漬けるだけという手軽さも手伝ってか、家庭での手作りに始まり、大手メーカーも参入するなど、塩麹に次ぐブームを巻き起こした。さらには、調味料として料理に使われるだけでなく、飲料との親和性が高いことから居酒屋の酎ハイメニューにも登場するほどの定着ぶりだ。さて、この2つの塩調味料に次ぐものは、なんであろうか? それは「塩マッサ」だ(と思う)。

 塩麹が日本の、塩レモンがモロッコの伝統調味料であったように、塩マッサはポルトガルの伝統的な調味料で、パプリカを塩漬けにして熟成させたものだ。現地ポルトガルでは「Massa de Pimentao」と呼ばれている。「マッサ(Massa)」は「水に溶かした軟らかいもの」、「Pimentao」が「パプリカ」という意味なので、直訳すると「水に溶かした軟らかいパプリカ」となる。その形状から表現すると、「パプリカのペースト」である。

 日本でいう味噌やしょうゆのような存在で、ポルトガルの家庭では炒めものからパスタまで、様々な料理に使われている。日本で知られ始めたのは2015年前後からで、ポルトガル料理に精通し、『マッサ MASSA パプリカでつくる美味しい調味料』(池田書店)というレシピ本も刊行している料理家の栗山真由美さんがテレビ番組で紹介したことから、じわじわと広がり始めた。

 この「塩マッサ」が次なるブームとなるだろう、と感じたのは塩麹・塩レモンとの共通項があまりにも多いからだ。

 それは「昔から家庭で使われてきた塩調味料」で、「原料を塩で漬けて熟成させるだけ」なので「家庭で簡単に作れ」、塩漬けにして熟成させることで「うま味が増し」、「冷蔵庫で長めに保存できる」上に、「色々な料理に使用できる」という点だ。

 さらに、パプリカにはビタミンCやカロテノイドの一種であるカプサンチン、そしてビタミンEやビタミンP(ビタミンCを熱や酸化から守る働きを持つ成分)が多く含まれている。しかも、見た目が美しく、扱いも容易とくれば、大ヒットを期待せざるを得ない。

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