ブック

若手リーダーに贈る教科書

アマゾン支える「通販とは別の顔」 決算書で見抜く 長谷川正人著 「決算書で読む ヤバい本業 伸びる副業」

2018/6/2

決算書の実際の数字を見ながら、読み解くスキルを解説する

世界の小売業をのみ込む勢いの米アマゾン・ドット・コムは、インターネット通販でそんなにもうけていない? 海外企業の大型買収を繰り返すソフトバンクグループの実態は?――。今回の書籍「決算書で読む ヤバい本業 伸びる副業」は、企業の実態を表す決算書のなかで、部門別の売上高や利益を示す「セグメント情報」に特に注目し、企業の真の姿を見抜くスキルを解説している。

◇  ◇  ◇

長谷川正人氏

著者の長谷川正人さんは1958年生まれ。81年に早稲田大学政治経済学部を卒業して大手コンサルティング会社に入り、現在は上席コンサルタントを務めています。経営コンサルタントの業務だけでなく、証券アナリスト業務や会計・財務に関わる研修などにも携わってきました。本書は、2017年に出版して好評だった「ヤバい決算書」(日本経済新聞出版社)の続編ともいえる一冊です。(前回の記事は「『問題企業』は決算で分かる 見抜く法、教えます」

■アマゾンのネット通販、収益貢献はわずか

ネット通販の巨人アマゾンは、貪欲に事業を拡大しています。18年には、ほぼ無人のコンビニ「アマゾン・ゴー」を米シアトルで開店し、多店舗展開に乗り出す構えです。ほかにも米食品スーパー大手を買収したり、自前の配送サービスを拡大したりと事業領域を広げており、アマゾンが手を伸ばした先の業界が破壊される「アマゾン・エフェクト」に注目が集まっています。

手軽なネット通販で私たちの消費のあり方を大きく変え、売上高を急速に伸ばしてきたアマゾンですが、実は消費者向けの通販は「赤字かどうかぎりぎりの水準でほとんど利益に貢献していない」と著者は指摘します。

アマゾンの2017年12月期まで5年間の営業利益率は1.0%→0.2%→2.1%→3.1%→2.3%です。
売上急成長で他のあらゆる業種に脅威をもたらしているアマゾンなので、どれだけ儲(もう)かっているのかと思ってデータを見れば、正直、拍子抜けするような低い水準です。過去のデータを見ると、2001年12月期まで営業損益、当期純損益ともに赤字でしたから過去もろくに儲かっていなかったわけです。
(2章 セグメントに表れる意外な素顔 アマゾン&HIS&ベネッセ 100ページ)

ブック 新着記事

ALL CHANNEL