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ロシアW杯はリアルタイム情報戦 試合中に分析采配 ドイツが先行、戦術磨けば日本にも追い風?

2018/6/12

コーチは試合中のデータをもとに的確な指示を出せるようになる(写真は5月に開かれた国際親善試合でのトルコチーム)=ロイター

 6月14日に開幕したサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は、データ分析の巧拙が勝敗を分けるかもしれない。国際サッカー連盟(FIFA)はすべての参加チームに、試合中の選手やボールの動きをリアルタイムで分析できるタブレット端末を提供すると発表した。各チームの監督・コーチはデータをもとに選手を交代させたり、戦術を変えたりできるようになる。

ロシアW杯では試合中のタブレット使用が解禁される(FIFAのホームページより)

 FIFAが各チームに配布するタブレットは2台。1台はスタンドから試合を見るアナリスト向け、もう1台はベンチにいるコーチ向けで、双方がタブレットを通じて交信できる。FIFAがW杯でこうしたシステムを取り入れるのは初めて。サッカーのルールを制定する国際サッカー評議会(IFAB)が、ベンチでの情報機器の使用を許可したことで可能になった。

 FIFAが公表した資料によれば、具体的な使い方はこうだ。まず選手とボールの動きを追尾できるカメラ2台をスタジアムに設置する。試合が始まると、そこから得たデータと実際の映像を、アナリストが持つタブレットにリアルタイムで送る。

 アナリストは個々の選手の動きを評価するとともに、試合の情勢を分析。どう改善したらいいかを、コーチのタブレットに送る。静止画に線を書き込んで示したり、音声で通話したりすることも可能だ。ハーフタイムには、ロッカールームにいる選手全員で分析結果を共有し、後半戦に臨む。試合が終われば、それらのデータをもとに次の試合の戦略を立てる。

■ドイツがSAPと組んで先行

 これまでサッカーの試合中に監督・コーチが選手に指示を出す場合、経験や感覚に頼る部分が大きかった。FIFAのシステムによって、何が変わるのか。スポーツのデータ分析に詳しい中央大の酒折文武准教授は「監督やコーチの目が行き届かないところ、たとえばボールにかかわらない選手の動きまで正確に把握して試合に生かせるようになるのでは」と予想する。

 その一つが選手交代だ。「それぞれの選手の運動量、有効に動けているのかどうか、けがの具合はどうか、だんだん走れなくなってきているのではないかといったことが捉えやすくなる」。あるいは前半の結果を踏まえて後半の戦術を練る場合も、「選手の位置や、選手間の距離、角度をもとに配置をこう変えてみようとか、穴がここにありそうだから注意しなければならないとか導き出せるかもしれない」

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