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みらい創造機構の岡田祐之社長

みらい創造機構の岡田祐之社長

大学発ベンチャーを資金面などで支援するベンチャーキャピタル(VC)の設立が活発だ。企業が大学や研究機関など外部と協力して技術開発を加速する「オープンイノベーション」の流れが背景にある。東京工業大学の関連ベンチャーなどを支援する、みらい創造機構(東京・千代田)の岡田祐之社長は東京電力(現東京電力ホールディングス)の出身。原子力技術の開発や新規事業立ち上げといった様々な経験を生かし、母校・東工大のみならず、日本全体のオープンイノベーションを活性化したいと意気込む。

「技術だけでは世の中は進まない」

みらい創造機構は2014年に設立。16年に東工大と連携協定を結び、同大の研究成果を生かしたベンチャー育成支援や共同研究、人材教育などを進めてきた。17年には33億4千万円の1号ファンドを組成し、これまでに約10社のベンチャーに投資。分野はビッグデータ解析やセンサー、医療、建築、教育関連など多岐にわたる。

東電では原子力部門が長かったという岡田氏。官僚より官僚的ともいわれた東電と、まだ実績もないベンチャーに出資する事業とはかけ離れたイメージがある。実際、岡田氏も「様々な偶然と、人との良き出会いがあったから今の自分がある」と振り返る。

技術に興味を持ったのは早かった。茨城県土浦市の出身。周りには日立製作所の関連工場が多く、ポンプやモーターといった言葉は小さい頃からよく聞いていた。近くには日本初の商業用原子力発電所である日本原子力発電の東海発電所もあった。最先端の原子力技術を学ぶため、東工大の大学院まで進み、東電でも最新鋭の柏崎刈羽原発に配属される。

原子炉は1基で数千億円という巨大プロジェクト。「その建設現場を間近で経験できたのは大きかった」。最先端の技術を自らの手で実用化していく高揚感の一方で、原発に対する風当たりの強さも目の当たりに。原発反対派の抗議活動や、原発で恩恵を受ける地元の人々の複雑な思い。「技術だけでは世の中は進まない」。大学を出て初めて実感したという。

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