産業医面談をしていると、こうした春からの「隠れ疲労」が、6月以降に徐々に顕在化して夏ごろに本格的な不調を訴え出す社員が昨今増えているように感じます。なぜかというと、6月からは「環境のストレス度」がグッと上がっていくからです。

まず梅雨は、文字通り雨の日が増えるため高温多湿になり不快指数が急上昇します。また気圧の変化が激しくなります。そのためこの時期には、持病の頭痛やめまいが悪化する人が非常に多くなります。冷たい飲み物やアルコールの消費量が増えることも手伝って、胃腸の不調も長引きやすくなります。

5月のような爽やかな晴天が乏しくなり日照時間が不安定になるために、梅雨は潜在的なうつっぽさが表面化しやすいのも特徴です。ムシムシするので気分の不快度も上がりやすく、イライラや落ち込み、不眠症状などが悪化しやすいのです。こうして梅雨に隠れ疲労度が一段階悪化すると、不眠や胃腸障害、めまい、抑うつなどの病的な症状が明らかになり、医療機関の受診が必要となる人がチラホラ出てくるのです。

「隠れ疲労」がたまっているところに暑さが加わると、体力消耗が一段と激しくなる。写真はイメージ=(c)Ulrike Schanz-123RF

不快な梅雨をなんとかだましだまし乗り切ったとしても、今度はギンギンギラギラと太陽が輝き出し、気温がどんどん上昇し本格的な夏になっていきます。それに伴ってオフィスでは冷房がガンガンきくようになるため、外気と室内の温度差が大きくなって、さらに自律神経系に負担がかかっていきます(自律神経系は5度以上の気温差があると、疲労しやすくなるといわれています)。7月以降の真夏にはこうした環境のストレス度が一段と高まっていくので、体力消耗がより激しくなるのです。

春から梅雨にかけてジワジワと疲労を蓄積させてきた人の中には、ここで黄信号が一気に赤信号に変わってしまうことも。

「胃腸の調子が暑さのせいでさらに悪化して、食事ができなくなった」

「夜寝苦しくて、全く睡眠がとれなくなった」

「体がだるくて、朝起きられない。無理に起きるとめまいや動悸(どうき)がする」

「気力が全くわかなくて、頭がボーっとして集中できない」

こうなったら、もはや通常の勤務は難しくなり欠勤や遅刻が増えていき、早晩、病院に駆け込むことになってしまうのです。まさに上記の状態は、心の夏バテともいえる状態であり、私は個人的に「夏うつ」と命名しています。

もしあなたが先ほどの「隠れ疲労」症状にいくつか当てはまっているようであれば、6月からは入念にセルフケアを意識されることをお勧めします。

「隠れ疲労」克服のため平日に意識したいこと

(1)「6時間以上の睡眠」の確保

まず平日は、できるだけ睡眠時間を確保することが必要です。この連載でも何度かお伝えしていますが、平日でも極力「6時間以上の睡眠」をとってください。自律神経系の乱れを治すには、睡眠が欠かせません。

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