マネー研究所

ヴェリーが答えます

企業は国際会計をなぜ適用? 投資家が評価しやすく

2018/6/5

 

「国際会計基準(IFRS)に変更する企業が増えている理由を教えてください」(北海道 40代男性)
マネーを呼ぶ「マネ~き(招き)猫」のヴェリーが、読者の疑問を解決します。

 国際会計基準を適用する動きが急速に広がっています。日本取引所グループのまとめによると、既に適用している企業や適用を決めた企業の合計は200社近くに上ります。2018年度には住友金属鉱山(5713)や三菱電機(6503)、三菱重工業(7011)、NTT(9432)などが導入する予定です。

 こうした動きの背景には企業活動のグローバル化があります。海外子会社が所在する地域で国際会計基準が使われている場合、親会社の日本企業も同じ基準にした方が決算作業や管理がしやすくなります。

 それだけではありません。IFRSと日本の会計基準の主な違いには企業を買収した際に発生するのれんの処理方法があります。日本基準では毎年一定額を償却して費用計上するのに対し、IFRSでは定期償却はせず、価値が大きく目減りした際にのみ、費用と認識します。このため、IFRSの方が利益が大きく計上される場合があります。

 例えば、豊田自動織機(6201)の17年3月期決算では、日本基準の営業利益が1229億円で、IFRSでは1273億円でした。のれんを償却しない影響が出ています。一方で売上高は日本基準が2兆2504億円、IFRSでは1兆6751億円となりました。エンジンなどの売上高の計上方法がIFRSでは加工代に限られるためです。売上高営業利益率は日本基準で5.5%、IFRSで7.6%と大きな差が出ています。

 グローバルの投資家にとっては国際基準同士のほうが企業比較をしやすく、日本企業の評価が高まりやすくなる面も背景にありそうです。

[日経ヴェリタス2018年5月27日付]

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL