日経ウーマン

2018/5/31

行動経済学で分かる私たちが陥りがちなムダ遣いのワナ

人間の消費行動や意思決定時の心理について研究しているのが「行動経済学」。以下の4例は、行動経済学で説明されている買い物時の典型的な行動習慣だ。不合理な行動法則を知ることで、ムダ遣い防止につなげよう。

【返報性の原理】何かをしてもらったらお返しが必要と考える

 試食や化粧品カウンターの無料メイクなどで、店の人に親切にしてもらうと、お返しに「買わねば」と思う心理のこと。本当に欲しいとき以外、無料のお試しは避けたほうが無難……?

【ディドロ効果】何かを新しくすると他も新しくしたくなる

 何か新しいものを買うと、それに合わせて「他も良いものをそろえたい」という衝動に駆られた経験はないだろうか。この心理に流されると、散財スパイラルに飲み込まれていく。

【確証バイアス】自分の希望を後押しする情報にばかり注目する

 何かを「欲しい」と思うとバイアス(偏り)がかかり、無意識に購入を後押しする肯定的な意見を収集して、否定的意見に目を背けがち。冷静にマイナス面も直視することが大切!

【アンカリング効果】相対的な安さに目を奪われる

 「定価〇円の商品が60%OFFで△円」とあると、単に△円とあるよりお得に見える─。いかり(アンカー)を下ろすように、印象的な数値が基準となり、行動に影響を与える。

ムダ遣いを防ぎ、お金をためるには「仕組み」が必要。その仕組みのひとつが、NMD貯金だ。数ある貯蓄法のなかでもNMD貯金は実にシンプル。「NMDと決めた日は、なんとか工夫して1日を乗り切る。その試行錯誤をゲームのノリで楽しめるようになると、NMDが徐々に増え、それにつれて貯蓄もどんどん増えるはず」。

NMD貯金の2つのメリット

NMDという「仕組み」を「習慣化」するには、コツがある。「人間はいいことをすると、その後は少しくらい悪いことをしてもいい、という心理が働きがち」。だから、まずは週1回だけNMDにするなど、低いハードルから始めるほうが挫折しにくい。自分の意志を過信せず、人の目の力を借りるのも有効な方法。例えば、インスタグラムにNMDの記録を投稿するのも、習慣化の助けになる。

NMD貯金を習慣化するためのコツ
市居 愛さん

 家計整理アドバイザー。マザーミー代表。自身の病気と夫の会社倒産で、夫婦同時に無職となる恐怖を体験。それを機に家計を立て直した経験とノウハウを、広く伝える活動をしている。著書に『お金を整える』(サンマーク出版)など。

(日経WOMAN 相良朋=アンケート編、ライター 元山夏香=最旬メソッド編)

[日経ウーマン 2018年5月号の記事を再構成]

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