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アマゾン川の豊かな伝統の味 ベレン料理を赤坂で食す

2018/5/31

ベレン料理でよく使われる食材・キャッサバイモの付け合わせとその葉をソースに使った牛ステーキ

 シビレるハーブに毒抜きしたイモを使ったスープや煮込み……。 そう聞くとなんとも恐ろしげだが、食べてみると滋味あふれる味でクセになる。そんな刺激的でエキゾチックな食文化を持つのはブラジル・ベレン。アマゾン川の河口付近に位置する、人口約180万人のブラジル北部の主要都市である。

 肥沃なアマゾンが育んだ多彩な食材に、先住民たちの伝統的な調理法が加わり、さらにアフリカ移民やポルトガル移民の影響も受け、この地独特の食文化が発達したという。ベレン料理は、分かりやすく言えばアマゾン料理となるか。そして、このベレン料理を日本で唯一食べられるのが、東京・赤坂にあるブラジル料理専門店「ブラジリカグリル」だ。

「生まれ育ったベレンの料理を日本に紹介したいという思いはずっとありました。それが、2015年にベレンが『ユネスコ食文化創造都市』に認定され、2017年11月に世界中の食文化都市が集まる会議がベレンで開催されたのをキッカケに本格的に動き始めました。現地の食材を輸入するのに検疫などの大きな壁がありましたが、各機関の許可も下り、この5月から提供できるようになったのです」と語るのは同店を経営するアイピーシー・ワールド社長の村永裕二さん。

 食文化創造都市とは、グローバル化が進み、固有の文化の消失が懸念される中、都市に根付いた文化の多様性を保持しようとする「ユネスコ創造都市ネットワーク」の枠組みの1つ。都市間でパートナーシップを結び交流することで文化産業が潜在的に有している可能性を最大限に発揮させようという目的がある。食文化や映画、音楽、デザインなど7つの分野があり、食文化では26都市、日本では山形県鶴岡市が登録されている。

 同店は2015年にオープン、串に牛肉や豚肉、鶏肉を刺して炭火でじっくり焼き上げたブラジル式バーベキュー「シュラスコ」で有名だ。元サッカー日本代表のラモス瑠偉さんほか日本在住ブラジル人も多く訪れる。

 ベレン料理は先住民らの昔ながらの知恵が詰まった伝統料理である。と同時にブラジルのガストロノミー(美食学)界の最新トレンドでもある。

「ブラジルではミシュランの星を取っているレストランの料理人がよくベレンに行って食材探しをしていますよ。ブラジルのほかの地域では見たこともない野菜や果物、魚介類がいっぱいありますから」というのは同店のシェフ、サンパウロ生まれのカルロス・アウグストさん。

 ブラジルでは2015年から「ミシュランガイド リオデジャネイロ&サンパウロ版」がリリースされている。南米大陸としては初のミシュランガイドである。そして、ブラジルで初の二つ星を獲得し、世界のベストレストラン50にも選ばれるサンパウロのレストラン「D.O.M」のシェフも確かにベレンに足しげく通っているようだ。

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