『リーサル・ウェポン』1位 大ヒット映画のテレビ版
2018年4月 海外ドラマ月間レンタルランキング
刑事ものは海外ドラマの人気ジャンル。TSUTAYA海外ドラマ月間レンタルランキングには、タイプの違う2つの新作が初登場でランクインした。1位の『リーサル・ウェポン』は大ヒット映画のテレビシリーズ版で派手なアクションが売り。3位の『シェイズ・オブ・ブルー ブルックリン警察』はハリウッドセレブのジェニファー・ロペスがテレビシリーズに初主演した硬派サスペンスだ。
『リーサル・ウェポン』は1987年に1作目が公開されて計4作が製作された同名人気映画シリーズのテレビ版。映画でメル・ギブソンが演じた「最終兵器(リーサル・ウェポン)」と呼ばれる無謀な刑事リッグス役をクレイン・クロフォード、映画でダニー・グローヴァーが演じた家族思いのベテラン刑事マータフ役をデイモン・ウェイアンズが演じている。いずれも映画やテレビドラマで活躍してきた俳優で、映画版と同様に息のあったコンビぶりを発揮している。
ストーリーはこうだ。元ネイビーシールズ(海軍特殊部隊)で、妻と子どもを失い自殺願望のある刑事リッグスは故郷のテキサスを離れ、ロス市警に異動してくる。相棒となったのは、心臓発作による求職から復帰したばかりで、妻と3人の子どもと暮らす家族第一の優しい刑事マータフ。全く正反対の性格で相性も最悪に見えた2人が、犯罪者に対しては絶妙のコンビネーションを発揮して、相手を追い詰めていく…。
米国ではFOXで2016年から放送スタート。『SUPERNATURAL』のマック・Gが製作総指揮、『CHUCK/チャック』のマット・ミラーが脚本と、多くの人気映画やテレビシリーズを生み出してきたヒットメーカーが手がけているだけに、映画版に劣らぬ過激なアクションや爆破、カーチェイス、銃撃戦といった見せ場が連続する。
TSUTAYA レンタルユニット 映像チーム海外ドラマ担当の中山知美氏は、本作の人気の理由をこう分析。「おなじみの映画をリイマジニング(映画と同じ世界観を踏襲し、新たなエピソードを描くこと)し、1話完結型の見やすさも相まって、映画を知っている世代である40代と60代の男性に多く支持され、初登場1位となりました」
海外ドラマの長寿シリーズには、『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』『NCIS ネイビー犯罪捜査班』など1話完結型の作品が多い。「見逃しによる離脱者が少なく、途中のエピソードから見ても入りやすいため、高視聴率が維持できるから。同じ理由で、日本のドラマでも1話完結型が増えています」(中山氏)
『リーサル・ウェポン』は映画版の高い知名度と、どこからでも見始められる手軽さで、多くの海外ドラマファンを引きつけたようだ。
■ジェニファー・ロペスがドラマ初主演
3位の『シェイズ・オブ・ブルー ブルックリン警察』は、映画と音楽の両方で活躍するハリウッドセレブのジェニファー・ロペスが、テレビシリーズに初主演した刑事もの。自ら製作総指揮にあたり、激しいアクションやセクシーカットに体当たりで挑んでいる。
ジェニファー・ロペスが演じるのは、ニューヨーク市警のたたき上げ女性刑事で、高校生の娘を育てているシングルマザー。その娘を守るためにFBIへの情報提供者となり、仲間の汚職を暴く潜入捜査を引き受けることになる。米国ではNBCで16年から放送がスタートした。
中山氏は「硬派なサスペンスで、1話完結型とは対極の連続ドラマ。裏切り、裏切られという先が見えないストーリー展開で、見始めたらやめられなくなるという海外ドラマの醍醐味が凝縮されている作品です」と言う。潜入捜査はバレたら終わりだけに、手に汗握る駆け引きが見どころ。そのストーリーの面白さがユーザーを引きつけているようだ。
米国では、『リーサル・ウェポン』はシーズン2の放送が5月8日で終了、『シェイズ・オブ・ブルー ブルックリン警察』はシーズン3の放送が6月から始まる。日本でも人気シリーズとして定着しそうだ。
(日経エンタテインメント! 小川仁志)
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