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虎もうなるカープ女子の装い プロ野球、グッズで熱闘

2018/7/6 日本経済新聞 朝刊

広島東洋カープと阪神タイガースは西日本屈指の人気球団だ

あらゆるスポーツの中で圧倒的な集客力を持つプロ野球は地域経済への影響力も大きい。チーム自体の魅力に加えて、交流サイト(SNS)などのツールや独自性あふれるグッズでファンを獲得し、高い経済波及効果を地元にもたらす力の源泉とは。「カープ女子」や熱狂的な「虎党」をバックに野球人気を引っ張る西日本の雄、広島東洋カープと阪神タイガースの取り組みを探った。

■広島、専用工場で旬のTシャツを提供

広島の戦績、営業両面での快進撃は2009年の新球場(マツダスタジアム、広島市)開設をきっかけに「観客増→収益向上→戦力アップ」という球団経営の好循環を確立したことが背景にある。グッズ企画・販売の強化を通じた新たなファン層の拡大といった独自の経営戦略が実を結んだ。

旧広島市民球場に代わる新球場計画が一気に加速したのは04年。近鉄球団の身売りに端を発した球界再編騒動が集客低迷に悩むカープに波及。危機感を強めた地元ファンや経済界の後押しで東広島駅貨物ヤード跡地への移転・新築が決まった。

グッズ収入は2年連続で50億円を超えた(マツダスタジアムのグッズ売り場)
地元備後デニムのグッズも企画(現在は売り切れ)

04年当時の観客動員数は99万人。これが新球場初年度の09年に187万人、リーグ2連覇を達成した17年には218万人に達している。これに伴い収入も増大。カープ球団の売上高は04年12月期の約63億円から、17年12月期には約188億円へと3倍に膨らんだ。

増えたのは入場料収入だけではない。マツダスタジアム開設に合わせグッズの種類を大幅に拡充。スタンドを赤く染めるレプリカユニホームのほか、短期間の企画・製造・販売を可能にするため専用工場があるTシャツや選手の拳をかたどった手形貯金箱などヒット商品が続々登場。グッズ収入は25年ぶりにリーグ優勝した16年以降、2年連続で50億円を超えた。

グッズ販売はファンの裾野を広げるほか、地域経済にも貢献している。球団は今年の目玉商品として地元産品の備後デニムの生地を使ったグラブなどを発売。デニムグラブは5万円の高価格だったが、すでに「売り切れ」となっている。

中国電力が算出する「広島東洋カープの経済効果」は09年に205億円だったが、16年に353億円、17年に350億円と急伸した。観客増だけでなく、好調なグッズ販売に加え、県外からの「カープ女子」はじめファンの観戦宿泊需要といった副産物が経済効果を押し上げている。

(次ページはタイガースのグッズ戦略について)

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