もしや更年期障害? 甲状腺の機能低下も確認を不調が続く甲状腺疾患(下)

日経ヘルス

2018/6/18

治療は、不足している甲状腺ホルモンを薬で補う。少量の投与から始め、その人に合った量を見定める。「1~4カ月ほどでホルモン量が正常になり、つらい症状が消える。元気になって、見た目も若返る人が多い」と山田院長。薬とは一生の付き合いになるが、「毎日きちんと服用すれば、日常生活にはまったく支障がない。眼鏡と一緒で、上手に付き合うことが重要」と山内理事長はアドバイスする。

昆布エキス・うがい薬などによるヨウ素の過剰摂取に注意

 甲状腺ホルモンは食事で取るヨウ素から作られるが、必要とされる量はごくわずか。ヨウ素を含む食品などを過剰に取り続けると、甲状腺が腫れたり、甲状腺機能が低下したりしてしまう。

 ヨウ素を多く含む代表的な食品は昆布。そのまま食べるのはもちろん、だしや調味料などにも含まれているから、日本人は普段から十分な量を摂取している。「それなのに健康にいいからと根昆布や昆布エキスを取り続けたり、ヨウ素入りのうがい薬を毎日使ったりする人もいる。過剰摂取につながるのでやめたほうがいい」と山内理事長は注意を促す。

 橋本病の人は特にヨウ素の取りすぎに気をつけよう。まだ甲状腺機能が低下していない橋本病でも、過剰摂取をきっかけに低下症になることがある。また、甲状腺に異常のない人でも過剰に取り続けると機能が低下する(取るのをやめると元に戻る)。なお、ワカメやノリなど、昆布以外の海藻は含有量があまり多くないので、それほど神経質になる必要はないそうだ。

山田惠美子さん
金地病院(東京都北区)院長。東京女子医科大学卒業。同大学病院内分泌内科(現内分泌センター)を経て、1991年から甲状腺専門病院の金地病院院長を務める。日本内科学会総合内科認定医、日本甲状腺学会専門医。
山内泰介さん
山内クリニック(さいたま市)理事長。愛媛大学医学部卒業。野口病院、伊藤病院などを経て、2012年に甲状腺専門外来を開設。日本甲状腺学会専門医、内分泌外科専門医。著書に『症例解説でよくわかる甲状腺の病気』(現代書林)。

(ライター 佐田節子)

[日経ヘルス2018年6月号の記事を再構成]

日経ヘルス 2018年 7 月号

著者 : 日経ヘルス編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 700円 (税込み)