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孤独死や弁護士費用に備え ミニ保険の契約数が急増

2018/5/29

ミニ保険はユニークな商品が多い

 手軽な掛け金で加入できる「ミニ保険」が増えていると聞きました。どのような商品があるのか教えてください。

◇  ◇  ◇

 ミニ保険を扱うのは金融庁に登録している少額短期保険業者だ。日本少額短期保険協会(東京・中央)によれば97社(2018年5月時点)に増え、生命保険会社と損害保険会社の合計を上回る。18年中には100社を超えそうだ。

 契約件数と収入保険料はともに年10%程度のペースで増加している。加入者は700万人を上回っており、「20人に1人以上は少額短期保険に加入している計算」(同協会)だ。

 ミニ保険は06年4月の保険業法の改正で生まれた。それ以前は法律に縛られない任意(無認可)共済だった。保険金には死亡保障が300万円、医療保障80万円などと上限があり、合計も1000万円まで。年金保険や積立保険は扱えないといった制限もある。期間は生保の分野が1年、損保が2年。原則掛け捨てだ。

 少短会社は生損保どちらの商品も扱うことができる。資本金1000万円と通常の保険会社(10億円)より少額で設立できるので参入しやすい。保険の種類では家財保険や賠償責任保険、医療保険が多く、消費者のきめ細かいニーズや社会状況に応じたユニークな商品が目立つのも特徴だ。

 痴漢に間違われたら弁護士に連絡できるヘルプコール付きの弁護士費用保険、スマートフォンの修理費用を補うモバイル保険、急用や病気で行けなくなったイベントのチケット代を補償する保険などが代表例。いずれも月額や1回あたり数百円の保険料で入れる。孤独死に伴う住居の損失をカバーする保険も有名だ。

 17年度には9社設立された。パワハラやセクハラなどを受けた時に弁護士に相談でき、弁護士費用を補償するエール少額短期保険(東京・中央)、認知症でも入れる賠償責任保険を扱うリボン少額短期保険(川崎市)、医療・福祉従事者の賠償責任などに対応するメディカル少額短期保険(東京・中央)などだ。商品はより多彩になっている。

 大手保険では類似の商品を販売するだけでなく、少短会社との協業や系列化を志向する動きもある。一方で楽天がペット保険の少短会社を買収したり、音楽配信のUSENが飲食店などの損失を補償する少短会社を設立したり、他業態の参入も多い。独創的な商品は今後も出てきそうだ。

 少ない料金で手ごろな保障(補償)を得られるのは魅力だが、破綻時のセーフティーネットはない。また、支払った保険料は生命保険料控除の対象にはならない。加入を考える際は少短会社の業績に加えて、他社の動向や商品の比較検討など幅広い目配りが必要だ。

[日本経済新聞朝刊2018年5月26日付]

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