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WOMAN SMART
オトナのスキルアップ入門

2018/5/29

オトナのスキルアップ入門

「余白」と「決めグセ」を意識して人生が変わった話

最後に私が過去、「余白」と「決めグセ」のおかげで人生が変わった話をします。私は過去にコンサルティング会社で働いていました。コンサルティング業界では企業をコンサルティングする際によく、「プロフィットセンター」「コストセンター」という言葉を使っていました。プロフィットセンターとは、会社の利益を直接稼ぎ出す部署。一般企業でいうところの企画・営業のようなところです。一方コストセンターとは、会社に直接的な利益をもたらさず、逆にコストを奪ってしまう部署です。一般に経理や総務などがこれに相当します。したがって、いかにコストセンターのコストを最小化し、プロフィットセンターの利益を最大化するかという観点で戦略を練るのです。

つまり、「コンサルティング会社」とひとくくりにされがちですが、前線に出るコンサルタント(=プロフィットセンター)と、私が在籍していた管理部門(=コストセンター)とでは、仕事内容も給与・待遇においても大きな違いがありました。

仕事が忙しくなると「自分の仕事はどうせコストセンターだ」「資料作成マシンで人間と思われていない」と卑屈になることも多くありました。

しかし、自分の仕事に誇りを持ってコンサルタントと対等な立場で仕事の交渉をしている先輩の姿を見て、私はこの考えを改めることにしました。「コストセンターだと思われている部署だけれども、自分はプロフィットセンターの誇りを持って仕事をしよう」と考えを変えたのです。経営戦略策定の力や論理的思考能力はコンサルタントに及ばないかもしれないけれど、少なくとも図解やパワーポイントにおいては、コンサルタントよりも圧倒的な知識や知恵がある。だから、いたずらに卑屈になる必要はない。そう決意したのです。

そして、朝の時間で自分ができることを考え、ネガティブに寄ってしまいそうな自分の気持ちを前向きに決めることで立て直した結果、いつしか、今のような自由な働き方を手に入れることができました。朝の時間で自分がどうしたいか、どうありたいかを決め、決めた道が最善であると決めて突き進むことができたおかげです。

【今回の話のまとめ】
■仕事の生産性の高低は、個人の思考のクセに左右される
■「忙しい」をネガティブな意味に捉え始めたら注意しよう
■仕事への取り組みの姿勢が後ろ向きになってしまう原因は二つ
(考える時間をつくるための「余白」が取れていない/決めグセが付けられていない)
■朝30分の余白を作り、一人で考える時間をつくろう
■目の前のことを淡々とこなすために「決めグセ」を付けよう

忙し過ぎると、自分自身が代替がきく労働力を提供するマシンのような気がするときもあるでしょう。「私なんかいなくても世の中が回る」「自分ばかりがいつも損をしている」と思うこともあるでしょう。しかし、この思考を意識して前向きにクセ付けしていくことで、確実に仕事の質は変わってくるのです。

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や自治体の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。「絶対! 伝わる図解」(朝日新聞出版)、「朝活手帳」(ディスカヴァー21)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2018年4月11日付記事を再構成]