「君の先輩だったAくんなら、こんな資料とっくに完成させていたよ。ずいぶんと時間がかかるね」

「Aさんはすごい人だったんですね。ただこの資料のここをちょっと見てもらえますか?」

「うん。なるほど、グラフを使ってわかりやすいね」

「ありがとうございます。わかりやすさが大事だと考えて少し時間をかけてしまいました。次はもっと手早く完成させるようにします」

「ああ、期待しているよ」

このように、毎回誰かと比較してくるとき、比較されるポイントについてのプロセスを説明してゆくことができれば、やがて比較そのものの対象が変わってきます。それは、他の誰かではなく、過去のあなたとの比較に変わってくるのです。

「以前よりもずいぶんと早くなったね」

そんな感想を得ることができれば、あなたの評価は一層高まるでしょう。

自分自身もそうならないように

とんでもない上司の下につくと災難ですが、そうなってしまっている傾向を読み解きながら対策すると、難を逃れることができます。人間の行動は習慣によって成り立っているので、そうならないような習慣をこちらから提示してゆけばよいからです。

ただし気をつけていただきたいのは、他人の行動は伝染性を持っている、ということです。その伝染性は、あなたが思うよりも強いものです。

否定ばかりする上司を、もしあなたが否定し続けたらどうなるでしょう?

気が付けばあなた自身も、他人のあら捜しをする、否定的な人になってしまいます。少なくとも、あなたが上司を否定している言葉を聞いている周囲の人には、そう見えてしまいます。

比較ばかりする上司の部下であるあなたが「うちの上司よりは、となりの課長の方がぜったいいいよなぁ」と言っているとどうなるでしょう。やがてあなた自身も、何かを判断するときに自分の軸を持てなくなってしまいます。

だから、否定や比較といった、マイナスの行動に出合ったら、その行動をどうすれば改善することができるかを考えるようにしましょう。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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