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特区テコに経済改革 タイのインフラ株に妙味世界のどこに投資する?(21)タイ株

2018/5/29

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タイでは観光客が堅調に推移し、経済の成長をけん引している
タイでは観光客が堅調に推移し、経済の成長をけん引している

米中貿易紛争を受け、注目されているのがタイの経済だ。米中の貿易量が縮小した場合、タイの輸出機会が増える可能性があるためだ。実質経済成長率は高成長国のインドやフィリピン(年率7%前後)に比べ3~4%と低いが、輸出が増えれば成長が加速し、インフラ関連銘柄の押し上げにつながる可能性があるという。アユタヤ銀行チーフ・エコノミストのソムプラウィン・マンプラサート氏に、経済の見通しや株式の有望セクターを聞いた。

◇  ◇  ◇

輸出・観光が好調、18年は4.7%成長へ

――タイ経済の現状は。

「2016年10~12月期以降、高い経済成長を遂げている。17年の国内総生産(GDP)成長率は3.9%と、潜在成長率(3.5~4%)より高めだった。足元の経済の好調さを受け、18年の成長率予想は4.7%に上方修正。19年も4.2%と高めの成長を予想している。輸出と観光の需要が強く、消費と投資が成長をけん引している。工業生産高は伸び、道路の拡張投資につながっている。政府主導で工事遅延を解消できれば一段の伸びも見込める」

ソムプラウィン・マンプラサート氏は「タイに輸出拡大の可能性があり、経済成長率を押し上げる」と指摘する

――米中貿易紛争がタイ経済に及ぼす影響をどう見ますか。

「米中間の貿易が減る分、タイの輸出が増える可能性がある。米国から中国へのプラスチック樹脂の輸出が減る代わりに、タイから中国への樹脂輸出が増える。米国から中国へ飼料用の大豆輸出が減る代わりにタイから中国へのキャッサバ輸出が増える。電気機器製品など、一部業種はタイが代替物を輸出することはできないが、総じてタイの輸出には追い風だ」

――タイ経済は首都バンコクに集中していますが、成長は地方に波及していますか。

「コメ生産に依存する北部・北東部は、好天候のおかげで収入が伸びている。南部では、ゴムやパーム油の価格下落で農家収入が伸び悩んでいるが、旺盛な観光需要が消費を押し上げている。こうした状況で、交通を含めたインフラがさらに整備されよう」

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