出世ナビ

私のリーダー論

経営・指導者こそ競争が必要 Jリーグ改革終わりなし Jリーグの村井満チェアマン(下)

2018/6/7

 「Jリーグの選手は毎年100人入ったら100人引退する。定員制ビジネスですので、もともと選手間ではものすごく競争しているのですが、指導者レベルではまだまだ競争原理が働いているとは言いがたい。経営者も、指導者も、選手も競い合うような熾烈(しれつ)な競争環境をつくることが世界で戦うために必要なことです」

 「選手は年齢に関係なく、実力だけで戦っていくわけですから、我々も一定の管理職以上でプロになったと自任するなら、そのポジションは何の保証もない、という形にしました。等級や報酬を業績に連動させる人事制度を導入し、その結果、降格もあり得るという仕組みにしました」

 ――6月14日から始まるロシアでのワールドカップを目前に控え、日本代表監督が急に交代となりました。一連の出来事をどう思いましたか。

54のクラブがそれぞれの哲学を持ってほしいと話す

 「今回は、日本サッカー協会が非常に難易度の高い判断をしました。Jリーグの立場から見ると、日本代表新監督の西野朗さんはガンバ大阪などを支えた経験のある監督ですし、コーチ陣もJリーグを支えてきた方々。いま一度、Jリーグはしっかりとした土台になることの必要性を痛感しました」

 「サッカーって、長さ約100メートルのとても広いピッチでやっているような感覚があります。でも突き詰めていくと、コンマ1秒先にディフェンダーが触れれば、ボールをクリアできるし、コンマ1センチ先にフォワードの足が伸びてボールに触ればシュートになる。実はサッカーの本質はぎりぎりの、ミクロの世界の戦いです。その瞬間の判断で勝敗が決まる世界では、選手間だけでなく指導者とのコミュニケーションも大きな意味を持ちます。もう一回原点に立って考えると、母国語でコミュニケーションすることの優位性はやはりあると思います。Jリーグは常に母国語で話すことができる監督を輩出していく必要性を感じています」

■勝った負けたで変動しないファン作り

 ――今後やっていきたいことは。

 「全54クラブがどういうサッカーをファンに約束するかというフィロソフィー(哲学)を言語化する作業をしていきたいと思っています。クラブの社長や監督が代わっても、変わらないクラブの哲学です。クラブは38都道府県にあり、それぞれの地域の土地柄に合うような特色を持つチームがあってもいい」

 「湘南ベルマーレは『縦の美学』という本も出していて、後ろを抜かれてもいい、とにかく縦に早くパスを入れてノンストップで攻めるというポリシーを掲げています。どういうサッカーを地域に約束するのか。勝った負けたでお客さんの数が変動するんじゃなくて、そのクラブならではのサッカーを見たいと思わせることがとても大事。指導者の選び方やコーチングメソッド、あるいは社員がいつもアグレッシブに提案しているでもいい。どこを切っても哲学が出てくるようなクラブがたくさんあれば、試合を見るのは楽しみになりますよね」

村井 満
 1959年、埼玉県生まれ。県立浦和高校ではサッカー部に所属。早稲田大学法学部卒業後、83年に日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)に入社。2004年、リクルートエイブリックス(現リクルートキャリア)社長。08年、Jリーグ理事(非常勤)。11年、リクルートのアジア事業を統括するRGF香港の社長。14年に現職。

(安田亜紀代)

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

転職する前に知っておきたい
あなたの「エグゼクティブ力」を5分で診断

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL