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メンター制が男性幹部を変える 女性社員の応援団に

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NIKKEI STYLE

女性社員の仕事上の悩みに男性幹部社員がマンツーマンで答えるメンター制度。女性のキャリアアップ支援を目的とした仕組みだが、相談に乗る男性側にも副次的効果があるという。相談に乗るなかで職場での女性の課題に理解が深まり、"女性活躍応援団"へと生まれ変わる。メンター制度を男性の意識改革に戦略的に活用する企業も出てきている。

 ◇   ◇   ◇

面談で理解深め管理職育成に力 あいおいニッセイ同和損保・東京自動車営業第三部長の久保田敏弘さん

「若手女性が辞めていく。私に何ができるでしょうか」。40代女性の真剣な問いかけに、あいおいニッセイ同和損保の東京自動車営業第三部の久保田敏弘部長(53)は襟を正した。2016年度に会社が運営するメンター制度に協力し、1年にわたって定期的に助言した。「職場の課題を的確に見ているものだと感心した」と当時を振り返る。

久保田さんは営業一筋。外回りする男性を内勤の女性がサポートする――そんな環境で働いてきた。「仕事の回し方を覚えれば相応の収入も保障される。女性社員はそれで十分満足だろう」。そう考えていたが、面談を重ねるごとに見方が変わった。

その女性には人材育成の意識を強く持ち、後輩に積極的に声をかけるように助言した。今は管理職を目指して仕事に取り組んでいるという。一方、久保田さんも行動を改めた。部下31人中、20人が女性。そこから管理職を育てようと、積極的に仕事を任せている。「僕のような50代男性の考え方は古い。女性との意識ギャップに気付いた」

育休の全面支援を指示 スミリンウッドピース社長の峰元博史さん

住友林業の峰元博史さん(59)は16~17年度に2人の女性社員のメンターを務めた。1回3時間ほどの面談をそれぞれ10回。「家庭との両立の難しさや職務がなかなか変わらない閉塞感。女性社員の胸のうちを初めてじっくり聞いた」

この体験が管理職として役立った。現在は子会社のスミリンウッドピース社長だが、当時は大阪法人営業部の副部長。2人の女性部下が偶然ほぼ同時期に妊娠、育児休業を取ることになった。恐る恐る報告に来た女性社員に「おめでとう。よかったね」と即座に声をかけられた。

部内に「法人営業部をワークライフバランス職場の先進事例にする」と宣言し、全面支援を指示したという。「事前に妊娠を打ち明けた男性の先輩には『困るよ』と言われたらしい。メンターをする前だったら私も『仕事に穴が空く』と職場の心配を先に考えたと思う」

 男性幹部・管理職らが豊富な経験と知識に基づき、成長を支えるメンター制度。実は制度を運用する会社では、相談する側の女性(メンティ)のキャリア意識向上に役立つだけではなく、相談を受ける側(メンター)の意識改革も促すとささやかれていた。

厚生労働省は12年にメンター制度について企業調査を実施した。直接的な効果(複数回答)を尋ねた設問で最多は「メンターの人材育成意識が向上」で65.3%に上った。「メンティのモチベーション向上」63.6%、「メンティの職場環境への適応」58.5%、「メンティの知識・スキル獲得」48.3%よりも多かった。

女性活躍に詳しい県立広島大学の木谷宏教授は「人は、人を育てたい感情がある。関わった女性がどうすれば成長するのか。深く考えることで女性が置かれた職場環境と課題に自然と理解が深まる」とそのメカニズムを説明する。

「苦手」なくし積極相談 大阪ガス南部導管部長の池内信司さん

大阪ガスは、男性への効果を織り込み、制度を運営している。できるだけ多くの男性に経験させるように人選する。"女性活躍応援団"を社内に増やす戦略だ。4月時点で部長59人中27人が経験者だ。池内信司さん(51)もその1人。昨春部長昇格と同時にメンターを務めた。

30代ワーキングマザーの相談に乗った。飲み会など勤務時間外の付き合いができず、社内の人脈が広がらないと悩んでいた。そのもどかしさは池内さんもよく分かった。入社以来会社のラグビー部に所属し、部を離れる36歳まで職場の飲み会に参加できなかったからだ。代わりに社内会議で同席する相手には事前調整と事後報告を密にするなどして補った。自らの体験を基に時間の制約がある中で成果をどう工夫すればいいか伝えた。

「実は女性が苦手だった。すぐ泣くし、プライベートが仕事に影響する。仲間内では『女性は難しい』と話していた」と苦笑する。でも今は違う。部署250人中、女性は26人。悩みはないか困っていないか。積極的に話しかけている。

 ◇   ◇   ◇

「粘土層」巻き込む妙手 ~取材を終えて~

国が女性活躍推進を掲げて5年がたつ。取り組みが進む一方で、期待通りに改革が進まないと悩む声も企業から聞こえてきた。女性活躍を阻む要因で、特によく聞くのがベテラン男性の意識だ。"粘土層"とも揶揄(やゆ)される彼らは女性活躍に総論賛成各論反対。「女性ばかり昇格させては男への差別だ」「女性登用で営業実績が上がるのか。結果責任を問われるのは俺たちだ」などと会社の方針が職場に浸透するのを妨げる。

解決の糸口はないものか。先進企業に質問を繰り返すなかで、有効策に挙がったのがメンター制度だった。研修などで頭ごなしに意識改革を迫ると感情的に反発する男性たちも、相談相手という役割を与えて当事者に巻き込んでしまうと素直に態度を変えるという。だまし討ちのようで後ろめたくもあるが、男のプライドは傷つけない。同じベテラン男性社員として、その効果が腹にストンと落ちた。

(編集委員 石塚由紀夫)

[日本経済新聞朝刊2018年5月28日付]

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