両大学に続き、5月には熊本大学も「健康長寿代謝制御研究センター」を開設しました。

政府は現在、20年までに国民の健康寿命を1歳以上延ばすことを目標にしています。40年ころを見据えて検討中の新たな健康・医療戦略では、健康寿命をもう一段延ばす目標を盛り込む予定です。

それに向けて、個人の健康管理や病気予防に活用できる医療データを集めたり、フレイルの予防策を講じたり、がん患者の遺伝子を調べて個人に合った治療薬を投与する「がんゲノム医療」を導入したり、様々な手段を動員する考えです。

広瀬信義・慶応義塾大学特別招聘教授「人生に幸せを感じている人が長生きする傾向」

100歳に達する「百寿者」など超高齢者研究の先駆者である慶応義塾大学医学部百寿総合研究センターの広瀬信義・特別招聘(しょうへい)教授に、研究でわかってきた健康長寿者の秘密などを聞きました。

――超高齢者の研究はどのように進展してきましたか。

広瀬信義・慶応義塾大学特別招聘教授

1992年から慶大医学部で独自に百寿者の研究をしていたが、1997年に老年学の国際学会で百寿者の国際比較を包括的にやろうという機運が高まり、その枠組みで2000年から東京地区で「東京百寿者研究」を始めた。2002年からは全国規模で105歳以上の「全国超百寿者研究」も実施した。今後は110歳以上の「スーパーセンチナリアン」の研究に力を入れる。110歳以上の人は2015年国勢調査で全国に146人。海外では探すのに苦労しているようだが、我々は105歳調査をやってきた経験もあり、協力者は次第に集まりつつある。

――85歳以上の高齢者の研究も並行して進めていますね。

百寿者はいわば「特別な高齢者」なので、85歳とか平均寿命の年代の人データと比較することが必要だ。これが目的の1つ。また、こうした普通の人で老化がどのように進むのかを調べることも重要だ。運動機能や認知機能が落ちるフレイル(虚弱)と生活習慣の関係などを調べている。

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