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次世代リーダーの転職学

転職でモテる「サーバント型」上司 部下育つ奉仕力 エグゼクティブ専門の転職エージェント 森本千賀子

2018/6/1

 当時のメンバーは現在、社内の重要なポジションに就いたり起業したりと、大きな成長を遂げていますので、そのときのマネジメント手法は間違っていなかったのではないかと思います。

 そこで、私がどんなことを実践していたか、一例をご紹介します。

(1)自分がオープンに話し、本音を引き出す

 その人の「やる気」のスイッチがどこにあるかを探るために、私はメンバーの生い立ちを聞くことで、その過程で形成された価値観を理解するように努めました。

 メンバーと1対1で面談。それも社内の会議室など改まった場所ではなく、一緒に食事に行くなど「オフ」のリラックスした状態で話せるようにしました。そこで、仕事への考え方以前に、育ってきた環境や学生時代の過ごし方、友人関係などを聞いたのです。

 このとき、いきなり相手に「さあ、話して」と促すのではなく、まず私自身のことを開示し、話しました。子どもの頃から学生時代の話、この会社に入った理由まで、プライベートの情報もすべてさらけ出したのです。すると相手も「この人にはここまでオープンに話していいんだ」と安心し、自分のことを話してくれました。その中で、その人が何を大事にしているかをつかむことができたのです。

(2)わかりづらいメンバーは周辺から情報収集を

 しかし、そのように接しても、なかなか心を開いてくれないメンバーもいます。とはいえ、日常の姿からその人の本質を探ろうにも、私も顧客訪問や会議などで席を外すことが多く、常に観察していられるわけではありませんでした。

 そこで私は、どこか斜に構えたところがあって本音を話さない「わかりづらい」A君について、他のメンバーから話を聞きました。メンバーによると、A君は実は面倒見がよく、後輩から相談を持ちかけられると、自分のことを後回しにしてでも時間を割いて対応してくれるのだとか。自己主張をしないので組織内では目立たず、損しがちなタイプなのですが、人を思いやる気持ちが強い人だったのです。

 A君の一面を知り、私は改めて、自分の主観だけでなくいろいろな人の視点でメンバーを捉えることの大切さを実感しました。

(3)個々の強みが生かせるチャンスを作り、提供する

 A君の場合、自分が高評価を得るよりも、人との関わりを大切にしたいという価値観を持っていました。そこで私は、彼にチームリーダーを任せることにしました。

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