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株売買はぶれずに判断 大勢から乖離しない見通しを 波乱相場にこう向き合う(下)

日経マネー

2018/6/8

写真はイメージ=123RF
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 波乱模様の相場にどう向き合うべきか。ラジオNIKKEIで人気の2人、ファンドマネジャーの西山孝四郎さんと、こころトレード研究所所長の坂本慎太郎(Bコミ)さんが本音で語り尽くした。2回に分けて紹介する(前回記事「買値にこだわるな 下げ相場、事前のルール通りに売る」はこちら)。2回目は、株式市場の見通しや投資する上で大切なことなどを話し合ってもらった。

◇  ◇  ◇

──お2人はこれからの株式市場はどうなるとみていますか?

西山孝四郎氏 証券会社に入社後、通貨先物、債券、株、商品と幅広い金融商品の取引に従事。ラジオNIKKEI第1「ザ・マネー 西山孝四郎のマーケットスクエア」(毎週金、15:10~)に出演中。(写真:加々美義人)

西山さん(以下、敬称略) 米国の金利次第でしょう。米連邦準備理事会(FRB)による利上げ路線の状況下、もし株価が大きく調整したら、再び金融緩和という展開もあり得る。となれば相場は2年は延命するでしょう。ただインフレになってしまったらFRBの打つ手はない。トランプ大統領の保護主義的な政策は、インフレを起こしてもおかしくない。となると米国の株式市場は危険な状況になります。

坂本さん(同) 日本市場の場合は、ゆっくりと停滞していくと思います。先ほども話した通り、個人投資家はまだキャッシュを持っています。

西山 今度の下げで「やっと下げた」と入ってくると。

坂本 だから、小さな上げ下げを繰り返し、2~3年かけて緩やかに停滞するとみています。そんな状況では、得意なセクターで短期の売買を繰り返すしかないのでは。あるいはテーマ性のある銘柄を物色して投資、です。

──坂本さんが18年、注目しているテーマは何ですか。

坂本 4つあります。1つはEV(電気自動車)の電池です。テーマ投資の場合に大切なのは実需が出ている銘柄を選ぶこと。5年後のビジネスモデルが素晴らしいから、と投資していると、株価は一度はピークをつけますが、その後、下落しがちです。だから今、実需があるところに投資、が鉄則です。またテーマで銘柄が物色される場合は中小型株が上がりやすいと言えます。

──他の3つは?

坂本 バリュエーションが低い電子マンガ、アライアンス効果が期待の海運、好業績から企業の設備投資にまつわるオフィス家具です。

──最後に、投資する上で大切なことは何ですか。

西山 自分の型を持つ、ということですね。人のマネをしているだけでは成功しません。その中から自分にはどのやり方が合うのか、自分なりのスタイルを見つけること。そしてストップロスをしっかりと入れることです。

坂本慎太郎氏 証券会社ディーラー、大手生保のファンドマネジャーなどを経て専業投資家に転身。ラジオNIKKEI第1「カブりつき・マーケット情報局」(毎週金、16:20~)に出演中。(写真:加々美義人)

坂本 人の話を聞いて大きな相場の見通しを立てたら、ぶれずに持ち続け、その見通しの基に銘柄を選ぶこと。大事なのは、皆が持つオーソドックスな見方から逸脱しない見通しを持つことです。株式市場は全ての参加者の見方で形成されるもの。大勢から乖離した見通しを立てると、すぐにやられます。

 そしてライバルをつくらないこと。ライバルがいると「あの人は儲けているのに、どうして自分は……」とメンタルがぶれて、負けてしまいます。最後に複数の投資手法を持つこと。そのために勉強したり、努力したりすることが必要です。株は不条理な世界ですから、努力したから勝てる、というわけでもないのですが……。

西山 でも長期で勝つ人は、ちゃんと勉強しています。それはハッキリと言えます。

(日経マネー 佐藤由紀子)

[日経マネー2018年6月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年 7 月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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