買値にこだわるな 下げ相場、事前のルール通りに売る波乱相場にこう向き合う(上)

日経マネー

西山 多くの投資家を見て、うまいなと思う人は相場に最後まで付き合わず、下げる前に売っている。この「守りの差」が、結果に表れるのではないでしょうか。

坂本慎太郎氏 証券会社ディーラー、大手生保のファンドマネジャーなどを経て専業投資家に転身。ラジオNIKKEI第1「カブりつき・マーケット情報局」(毎週金、16:20~)に出演中。(写真:加々美義人)

坂本 でも多くの人はそうはできていない。相場観や銘柄情報を発信する身としては、見通しが外れた時は「ごめんなさい」と謝るようにしています。私の話を参考にして売買した人もいるでしょう。そんな人は自分で損切りできない状況になっていると思うんです。私が謝ることで気持ちが解放され、納得して損切りしてほしいと思うからです。

西山 私も冒頭にお伝えしたように「株は7~10年で調整」と発信し続けてきたのですが……。

──ここから個人投資家はどう動けばいいでしょう?

坂本 MRF(マネー・リザーブ・ファンド)の残高で見ると、17年に増加した買い余力が個人にはまだ2兆円残っています。買いに入ろうとしている人もいるでしょう。そんな時に肝に銘じたいのが「戻りはそこそこ」。こんな時は上値で捕まっている人も多く、そこそこしか戻りません。また相場のボラティリティー(変動率)が高いうちは、少ない資金で投資するのも手です。失敗しても痛手は小さくて済みますから。

西山 大きな調整を迎えると、そこから市場がどう動くかは30パターンぐらい予測できます。その動きを読める人なんていません。今は休んでもいいのではないでしょうか。

──お2人は今、どうしているのですか?

西山 長期投資用の銘柄は、17年夏に売りました。短期投資用に少し手掛ける程度です。

坂本 私もキャッシュポジションは高めで、8割が現金です。残りを投資手法ごとに口座を分けて売買しています。一つは信用取引用の口座。もう一つはデイトレ用の口座。そして配当利回りを取りに行く口座。それ以外にも長期投資用、IPO(新規株式公開)用、システムトレード用の口座も持っています。

──細かく分けているんですね。

坂本 こうすれば、ある手法に全て資金をつぎ込む、ということがありませんから、分散投資になります。

西山 商品、市場、手法を分散させるのは運用の基本。私が知っている範囲で儲けている人は、分散投資でひたすらトレンドフォロー、というスタイルの人でした。

(日経マネー 佐藤由紀子)

[日経マネー2018年6月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年 7 月号

著者 : 日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 730円 (税込み)


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