葛飾北斎を3Dにしたらどうなる?
一方、大人が日常の疲れを癒やすのにうってつけなのが、3階のボーダレスワールドというエリアにある作品「Black Waves」。うねる波のグラフィックアートが壁一面に広がっている。

チームラボ広報によると「葛飾北斎を3Dにしたらどうなるか」という発想から生まれた作品とのこと。こちらもまだ制作中だったが、完成後はフロアに「人をダメにするクッション」としておなじみのヨギボーを置く予定で、寝転がって鑑賞できるようにするという。
来館後に近隣で食事するという流れに期待
このミュージアムはチームラボの東京初の常設展。敷地面積は約1万平方メートルで、同社のシンガポールでの常設展の約6.6倍の広さだ。「全部見ると3時間はかかる」(チームラボ広報)という。規模も大きいうえ、これまでに全世界で600万人以上を動員した、「学ぶ! 未来の遊園地」という人気エリアもあるので、開業後はかなり混雑しそうだ。コインロッカーを大量に設置し、訪日客や地方から来場する人のために大きな荷物を預かるクロークも用意する予定だという。

パレットタウンと隣接する商業施設「ヴィーナスフォート」はともに森ビルが運営している。森ビルのMORI Building DIGITAL ART MUSEUM兼都市開発本部の杉山央氏は「お台場はもともと、ショッピングや観光などが複合的に体験できる場所として観光客から人気の場所。2020年の東京五輪に向けて国内外から注目も集まっているので、この場所にミュージアムの開業を決めた」と説明する。「ミュージアムから歩いて行ける範囲にはレストランがたくさんある。来館後にお台場を回遊する人が増えるのではないか」と杉山氏は期待する。
(ライター 樋口可奈子)
[日経トレンディネット 2018年5月8日付の記事を再構成]