土地の値段、なぜ「一物五価」? 路線価・実勢価格…課税基準、売買の目安にも

 不動産会社の情報サイトに出ている売り物件の価格も地価の目安になりそうね。

幸子 そうね。ただし、あれは売り主が希望する価格で、実際の取引価格とは必ずしも一致しないの。一方、あまり知られていないけど、国交省は公示地価のために土地を買った人にアンケート調査をしていて、実際の取引価格を「不動産の取引価格情報提供制度」というサイト上で公開しているわ。もちろん物件が特定されないよう詳細な住所は載せていないけど、目安にはなるはずよ。

 文字通りの「実勢価格」ね。4つの公的価格と合わせ「一物五価」というわけか。

幸子 土地の売買を検討するなら、不動産関連の公益法人が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」というサイトも見ておきたいわね。不動産会社が売買の仲介業務で得た取引情報を物件が特定できないよう加工して一般向けに公表しているの。国交省のサイトもレインズも最寄り駅や土地の広さ、取引の時期などで絞り込み検索ができるわ。

 へぇ~。最寄り駅とか、時期とか、広さとか。やっぱり温泉旅館の予約みたい。

■駅からの距離、より重要に
日本不動産鑑定士協会連合会 浜田哲司さん
住宅地の価格を決める要因として最寄り駅からの距離が以前にも増して重要になってきました。高齢化と共働き世帯の増加が背景にあります。駅から少し遠い一戸建てよりも、買い物や通勤に便利な駅近のマンションを選ぶ傾向がさらに強まるかもしれません。東京都心へのアクセスのよい下町エリアの人気が高まっているのも、その影響とみられます。
マイホームを買ったり、相続した土地を売ったりするなど、土地取引を検討する人には国土交通省のサイトに掲載されている地価公示の標準地についての「鑑定評価書」に目を通すことを勧めます。1平方メートル当たりの価格だけでなく、その地域の住宅需要の特徴や将来予測、取引の中心価格帯といった有用な情報が記載されていて、だれでも検索できるようになっています。
(聞き手は表悟志)

[日本経済新聞夕刊2018年5月23日付]

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