プレゼンも芸も、自信のない話し方ではウケない東大卒お笑いタレント 石井てる美氏

一方で、気づいたことがありました。ワタナベコメディスクールに通っていたときのことです。お笑い芸人養成所は元お笑い芸人や構成作家の方が講師を務めることが多く、笑いの基礎を学ぶ座学の授業から、ネタ披露、発声・演技・ダンスといった実践的なレッスンまであります。私は1日3時間×週3日のコースに通っていました。そして、授業を受ける中で「あれ、これどこかで聞いたことがあるな」と思うことが度々ありました。

そして気づいたのです、「マッキンゼーと同じこと言ってる!」と。

それも1つや2つではなく、ネタのつくり方、お客さんの前に立つときのマインド設定、組織を流れる考え方まで、とにかくお互い同じようなことを言っていたのです。それもそのはずで、両者とも目の前のお客さんを喜ばせることを至上命題とした“究極のサービス業”だからです。当時このことに気づいた私は思わず膝を打ったのでした。

では、具体的に何が同じだったのか。まず今回私が一番本質的だと思ったことを一つお伝えすると、「お客さんの前に立つ以上は自信を持って堂々とすること」でした。

ビジネスにもお笑いにも「絶対」はない

「堂々としている『さま』が人の心を動かす」と石井さん

まずマッキンゼーですが、コンサルタントがクライアントの前でプレゼンテーションをするときは自信を持っていないと話になりません。頼りなさそうにモジモジしていたり、話がふわふわしたりしている人に言われたことに人が納得するわけがありません。「ここまで言い切るということはよほど確信があるんだな。それならばやってみるか」というように、クライアントの心を動かし、行動に移すまで説得するにはサービスを提案する側の自信が最低条件です。

私はマッキンゼーでプロジェクトに入りたての頃、マネージャーからの質問に自信たっぷりに答えることができませんでした。「どっちが本当にいいかなんて今の時点では絶対に分からないじゃないか」などとさえ思っていました。しかしビジネスの世界にそもそも「絶対」は存在しません。それを追求していたら何も動けません。なので、まずは強引にでも仮説を立てて、今でき得るベストを尽くして仮説の精度を高め、自信を持って推し進めるしかないのです。

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