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女性のがん死1位 命を守る40代からの大腸がん対策

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

罹患(りかん)数2位、死亡数1位と、女性にとって最も身近ながんの1つが、大腸がん。特に40代以降はリスクが急増する。大腸がんって、どんな病気? 命を落とさないために、どうしたらいい? 東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授に話を聞いた。

女性のがん死トップ40歳からリスク急増

女性のがんでまず思い浮かべるのは乳がんだが、大腸がんも忘れてはいけない。この40年ほどで患者数は約7倍に増加。女性の罹患数は乳がんに次いで2位、死亡数に至っては1位だ。なぜこんなに増えているのか。

「理由は大きく3つ挙げられます。1つは日本が『先進国』になったから。大腸がんの発症には高脂肪食や肥満、運動不足など、先進国特有の生活習慣が関係しています。2つめは高齢者の増加。大腸がんは40歳以降、加齢とともに罹患率が急増します。そして3つめが、診断される人が増えたから。がん検診や内視鏡検査などで、以前よりがんを見つけやすくなったことも大きいですね」。東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授はこう説明する。

大腸がんは大腸の粘膜に発生するがんのこと。全長1.5~2mの大腸は結腸と直腸からなり、がんの約7割は肛門に近い直腸とS状結腸に発生している。

「直腸がんだと便に赤い血が混じるので、痔と間違えやすい。S状結腸がんでは、赤黒い血便や粘液と血液が混じった粘血便が出ることが多いです。大腸がんの症状には、一般に便に血がつく血便や排便時の出血、便秘になる、便秘と下痢を繰り返す、スッキリ出ない、便が細くなる、などがありますが、これらの症状が現れるのはがんがかなり大きくなってから。早期はほぼ症状がなく、検診などで見つかることがほとんどです。

なお、女性は男性より結腸がんの割合が多く、高齢になるほど増えてきます。お腹の右側の盲腸・上行結腸は肛門から遠く、進行しても出血や排便異常などの症状が現れにくいので、発見が遅れがちです」

女性のがんには、女性ホルモンが大きく関わるがんと加齢によるがんがある。前者の代表が乳がん、そして後者が大腸がんだ。乳がんの罹患率は40~60代でピークを迎えるが、大腸がんは逆に40代から右肩上がりに増えていく。

「大腸がんは生活習慣と遺伝的要因の両方が密接に関係しています。生活習慣に関わるがんは、年齢が上がるほどリスクが上がるもの。いわば長寿の代償です。自治体の大腸がん検診が始まる40歳からが、まさに『大腸がん年齢』なのです。

一方で、少数ながら40歳未満で発症する人も。この場合は遺伝的要因が大きいと考えられます。例えば大腸がんになった血縁者がいる人は、そうでない人より発症リスクが2~3倍高くなるとされます。心当たりのある人は40歳より前から定期的な検診を受けてほしいですね」

予防は可能だろうか? 「肥満や過度の飲酒は大腸がんのリスクを増やし、運動はリスクを減らすといわれています。ただし、どれだけ生活習慣に気をつけていても、なるときはなる。つまり、大腸がんを完璧に防ぐことはできないのです。だからこそ大事なのは早く見つけて治すこと。これに尽きます!」。

早期なら内視鏡治療で9割以上が治る

2人に1人はがんになる時代。予防に努めていても大腸がんにならないとは限らない。そこで石黒准教授が強調するのが「治る段階で見つける」大切さだ。

「実は、大腸がんは『治りやすいがん』の一つ。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。しかも、早期なら負担の軽い内視鏡治療で済みます。きちんと治せるところで発見する─。これが一番大事ですね」。

では早く見つける方法は?

「ズバリ、検診です。これしかありません。ぜひ受けてほしいのが便潜血検査、いわゆる検便です。簡単な方法ながら、毎年受けることで大腸がんによる死亡率を6~7割減らせると証明されています。がん検診の中で最も有効性が確立された検診法といえます。ただ、女性は男性より受診率が低いのが実情。まだの人は早速、今年から地域のがん検診や人間ドックでの検査をお薦めします」

大腸がんの治療には内視鏡治療、開腹、腹腔(ふくくう)鏡などの手術、化学療法、放射線療法があり、進行度に応じて治療法が決まる。早期がんへの内視鏡治療は、この10年ほどで目覚ましい進歩を遂げたという。

「茎のあるキノコのような形のがんを切り取る『ポリペクトミー』という方法は以前からありましたが、2012年、新たに『ESD(内視鏡的粘膜下層はく離術)』が保険適用になりました。これだとより大きながんでも切除できるので、内視鏡治療で済む人が劇的に増えました。

手術は腹腔鏡手術が普及し、今では約7割を占めています。お腹に小さな穴を4~5個開けて器具を入れ、カメラで内部を映しながら手術をします。開腹手術に比べて術後の痛みが少なく、回復も早いのが特長です。

化学療法も分子標的薬が登場するなど、この10年余りで飛躍的に進歩しました。転移や再発の場合でも、化学療法でがんを小さくして、手術できる例が増えてきました」

がんの場所によっては、手術後に人工肛門になることも?

「直腸がんの場合は、主にがんの場所によって肛門を残せるかが決まります。医療機関によって判断が異なることもありますから、迷ったらセカンドオピニオンを。最近は『ISR(括約筋間直腸切除術)』という、より肛門に近いがんでも肛門を残せる手術も登場しています。ただ人工肛門もずいぶん装具が改良され、日常生活での制限はほとんどなくなりました。普通に仕事をして、乗馬やフルマラソンを楽しんでいる人もいますよ。

男女で比較すると、治療後の生存率は女性の方がよい傾向があります。やはり女性は強くできているのかもしれませんね」

石黒めぐみ先生
 東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座准教授。1998年、東京医科歯科大学医学部卒業。同大第二外科(現・腫瘍外科学)入局、同大大学院腫瘍外科学特任助教などを経て、現職。2009年から「大腸癌治療ガイドライン」作成委員も務める。著書(監修)に『大腸がんを生きるガイド』(日経BP社)など。

(ライター 佐田節子、写真 鈴木愛子、イラスト 内山弘隆)

[日経ヘルス 2018年5月号の記事を再構成]

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