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九州 味めぐり

「お任せ」で自分に合った焙煎珈琲 福岡の喫茶店

日本経済新聞西部夕刊

2018/5/26

 コーヒーを楽しめるカフェはあまたあれど、自分にあわせて仕立ててくれる店はめったにない。六本松に店を構え45年。角の取れたマイルドな味わいとすっきりとした後味に心がときめく。コーヒーの濃さだけでなくカップまで選ぶ独自のコーヒー道は故・三国連太郎さえとりこにした。

イラスト・広野司

 一枚板でできたカウンター席に腰掛けると、店主の小山元成さんが屈託のない笑顔で出迎える。客の要望があれば応えるが「お任せ」と言われれば、客の反応でテイストやカップを提案する。

 湯が注がれると、豆は呼吸するように浮沈した。エチオピアとコロンビアとブラジル産をブレンド。炭火で焙煎(ばいせん)してもらい、店でひいている。

 カウンター越しに見える棚や頭上にはカップがずらり。250以上にも及ぶ。ジノリなどの洋食器のほか有田焼など日本の陶器も。ウエッジウッドのカップを依頼すると「ディアブロという、悪魔の名前のカップです」と、好奇心をくすぐってくれた。

 コーヒーをいれる小山さんの所作もみどころ。一つ一つの動きがきびきびと洗練され、茶道のような美しさがにじむ。コーヒーは一杯900円から。手土産用に豆のみの購入も可能だ。

 入居しているビルの建て替えで6月中ごろから西に約250メートルのビルに移転するが、1年半後にまた今の場所に戻る。

(新井惇太郎)

 〈すみびばいせんこーひー ひいらぎ〉福岡市中央区六本松3の16の33 電話092・731・1938

九州 味めぐり」では食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。

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