日本株投信、4月は資金流入鈍く 高値圏で利益確定も

写真はイメージ=PIXTA
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投資信託への資金流入が減速している。QUICK資産運用研究所によると、4月の設定額から解約額を差し引いた資金流入額は投信市場全体で1071億円にとどまった。1000億円の流出超だった2017年10月以来の低水準となる。株式相場は高値圏で推移しているが、国内外の政治や経済の先行き不透明感も根強く、個人投資家は一段とリスク資産を増やすことに慎重になっているようだ。

国内株式型は今年に入り高水準の資金流入が続いていたが、4月の流入額は765億円と、17年11月(744億円)以来の少なさだった。海外・先進国株式型も、1月の2598億円を直近のピークに流入額が減少している。

4月の日経平均株価は約1000円上昇し、米ダウ工業株30種平均も堅調に推移する場面が目立った。米中の貿易摩擦への警戒やアジアの一部ハイテク企業の業績懸念など、不安材料もくすぶる中での株高とあって、高値圏では利益確定売りが出やすく、新たな資金も流入しにくかったとみられる。

米国成長株ファンドは人気

個人資金は、高い運用実績を持つ投信や成長株に絞った投信に向かっている。144億円の流入超だった「A・バーンスタイン・米国成長株投信C」(アライアンス・バーンスタイン)は、フェイスブックやバイオジェンなど米国の成長株に投資し、14年9月の設定来のリターンは4月時点で50%を超える。国内株投信では、04年設定の「新成長株ファンド」(明治安田アセットマネジメント)は102億円の流入超だった。いずれも販売実績が長く、「販売会社はロングセラー商品を作ろうとしている」(三菱アセット・ブレインズ)との声があった。

テクノロジー関連企業に投資する投信では「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)が266億円の流入超だった。

新興国については、世界経済の拡大を追い風に成長が続くとの見方が多く、新興国の株式を対象とする投信の人気は根強い。4月は「新興国ハイクオリティ成長株式ファンド」(アセットマネジメントOne)や「UBS中国新時代株式ファンド(年1回決算)」(UBSアセット・マネジメント)などが資金を集めた。

米国を中心とした金利上昇(債券価格は低下)への警戒感は強い。海外・先進国債券型は19カ月連続の流出超となった。毎月分配金の引き下げが相次ぐ海外REIT(不動産投資信託)型からの流出も続いている。

(日経QUICKニュース)

[日本経済新聞朝刊2018年5月19日付]

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