2018/5/27

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修繕積立金は、そもそもの金額設定に問題があるとの指摘は多い。新築分譲時に高めの金額を示すと購入検討者から敬遠されかねない。このため、当初の金額を低めに設定し、数年ごとに引き上げる計画を示す不動産会社は少なくない。

では、住人や管理組合はどんな対策を考えればよいのか。まずは修繕計画と工事費の相場を照合するなどして、修繕積立金が不足するおそれがどれだけあるのか早期に検証したい。

積立金が足りない場合、どう金額を引き上げるかが重要になる。段階的に増額するほうが住人は納得しやすいが、「一度に大きく引き上げて固定する方式に注目する管理組合もある」(リクルート住まいカンパニーの池本洋一SUUMO編集長)。早期の収支改善が期待できるからだ。

住人間の協議長引く公算

屋上や外壁などを対象とする大規模な修繕は一般に約12年ごとに計画される。その周期を長期化することによって工事費の総額を抑えようと考える管理組合もある。より耐久性の高い材料や塗料を使えば、18年くらいの周期でも雨漏りなどを防げるとされる。

安全性は専門家に確認してもらう必要があり、材料や塗料などと合わせて費用が生じる。それでも「総工事費の15~20%とされる仮設足場の費用を削る効果は大きい」(土屋氏)。長期的に考えると修繕費の抑制につながることもある。

修繕計画の見直しは、管理組合の場で時間をかけて話し合う必要がある。管理組合では一般に理事全員が毎年交代する。話し合いが途切れないように最近は「理事の任期を2年に延ばし毎年の改選は半数ずつとする方式に改める例も出てきた」(池本氏)という。

マンションは老朽化すれば、ガス・水道の配管工事などによって修繕費用がさらにかさむようになる。そのときに備えるうえでも、住人間で早めに話し合いを始め、積立金を補うための対策を決める必要がある。

(堀大介)

[日本経済新聞朝刊2018年5月19日付]