正直、授業や学校のことはあまり記憶にありません。ただ、柔道の授業だけは印象に残っています。

柔道の先生はとても熱心な先生でした。昔から何かを一生懸命やっている人にひかれる性格なので、その先生のことがとても好きでした。また、私はゲームも好きですが、昔から体を動かすのも大好きで、柔道も楽しんでやっていました。

実は、ゲームと生身の人間のする格闘技は共通点があると思っています。私はゲームの中でも格闘技系を得意としていますが、格闘技系のゲームで勝つには、本当の格闘技と同様、集中力や瞬発力が不可欠。ですから今、練習の一環として、毎週、空手道場に通っています。集中力を鍛えるためにジムで筋トレもしています。

また、これも共通していますが、強くなるには、相手がどうこうよりも、まず自分を鍛えることが重要です。そんなこと当時はもちろん意識していませんでしたが、柔道の授業が楽しかったのは、ゲームとの共通点を感じていたからかもしれません。

「自由と責任」を学んだ。

「麻布は自由な学校だ」とよく言われますが、麻布に入ってみると、自由は責任とセットであるということがわかります。先生たちは事あるごとに、「いいか、俺たちはお前たちに自由を与えるが、その代わり、お前たちにも責任を持ってもらうからな」などとよく言います。本当にそう言うのです。

実際、麻布は自由だと思います。制服はあっても着る必要がありません。実際、私も、入学式や卒業式ぐらいしか着たことがありません。茶髪も認められています。卒業後に他の高校の話を聞くと、麻布の教育方針がいかに自由かということがよくわかります。

ただ、自由な一方で、自己責任も求められます。また、自由といっても超えてはいけない一線があり、それを超えると厳しく指導されます。

こんなことがありました。中学3年生の時だったと思いますが、そのころ、友達とよく昼休みに学校を抜けだしてゲームセンターに行っていました。それに気付いた教頭先生がいきなりゲームセンターに現れて、生徒を怒鳴りつけ、学校に連れ戻しました。「何か起きたら、お前らは自分たちで責任をとれるのか」という愛のメッセージだと、私は受け取りました。

もっとも、大きな声では言えませんが、その後も相変わらず、こっそりと、昼休みにゲームセンターに行っていました。

(ライター 猪瀬聖)

マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら