『風に吹かれても』は欅坂46の歴代のシングルで最も明るくハッピーな1曲だ。「改めてメンバー同士の絆が重視された楽曲。シンプルなリズムに乗せて、ハイタッチをしたり、手をつないだり、つながり合うからこそ成立する動きを大切にしました」

一転して、3月に発売された新曲『ガラスを割れ!』は、『不協和音』に近い世界観のメッセージ性が強い楽曲だ。「目の前にガラスの壁があっても進むことを諦めずに、ガラスを突き破ってでも自分の意思を貫いてどんどん進んでいこうという曲。そうしたメッセージを表現するため、サビのダンスは思いきり前に進んでいきます。ミュージックビデオでは100メートルほど、ずっと前進しています」

TAKAHIRO氏から見た、この1年の欅坂46の成長は「集団で見せる作品の中で、個の魅力や個性、そして意思が色濃く出るフェーズになったこと」という。「メンバーがそれぞれ自分らしさを見つけ始めています。例えば平手友梨奈さんは、デビュー当初は自分の目の前の作品だけに集中していたのが、視野が広がり全体の演出が見えるようになりました。昨今ではコンサートやライブの演出会議に参加することもあります」

『ガラスを割れ!』は平手が出演できない状況が生じ、歌番組用に構成を作り変えた。「今泉佑唯さんと小林由依さんが中心に立つ形となったテレビバージョンは、個を意識した振り付けになっています。今この瞬間に、このメンバーだからこその意思を際立たせる振り付けをお届けできるように意識しています」という。

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2018年5月号の記事を再構成]

エンタメ!連載記事一覧