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ミュージカル俳優のコントはラテン系全開(井上芳雄)

第22回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。『グリーン&ブラックス』(WOWOW)というミュージカルコントの番組を2017年4月から月1回放送しています。この春から2年目に入りました。福田雄一さんと僕がレギュラーで、毎回いろんなミュージカル俳優がゲストで登場します。脚本・監督・トークコーナー司会の福田さんは、映画、ドラマ、舞台のクリエイターとして幅広く活躍されている笑いの達人。コントをやってあらためて思うのは、ミュージカル俳優はラテン系気質というか、体を動かすのが大好きで、明るく開放的な人たちが多いですね。

番組は、コントと歌とトークのコーナーで構成されています。コントは劇場の楽屋を舞台に、ミュージカル界ならではの出来事を描きます。俳優はジャージとか稽古着のような装い。本人役なのですが、福田さんが持っているその人のイメージを膨らませたり、誇張していたりするので、本人そのままのキャラクターではありません。

最近放送したコントだと、ミュージカルが大好きなアイドル、まゆゆこと渡辺麻友さんが語るオリジナル・ミュージカルの構想に沿って全員で歌いまくる回や、ハイテンションの川久保拓司くんが飲みに行こうとみんなを誘うけど、公演の合間に収録に来ている俳優たちは余裕がないので誰も賛成しなくて…という回がありました。

俳優同士は、お互い知ってはいるけど共演は初めてという関係も多いので、わりとガチでやっています。まゆゆの妄想ミュージカルの回も、脚本には簡単に「『美女と野獣』の曲を歌う」とか「『エリザベート』の曲を熱唱」とあるだけ。伴奏もなく、長さも適当、振りもとっさで、演じるのが大変でした。特にメインのまゆゆはセリフが長く、大変だったと思いますが、ちゃんと覚えて来ていたのでさすがでした。

福田さんはいつもむちゃぶりですが、それを喜々として歌ったり踊ったりする俳優が集まって来てる感じです。収録はほとんど長回しの一発撮り。カット割りはあまりしないので、緊張感が漂います。

「どこまでふざけて大丈夫ですか?」

福田さんの笑いのつくり方は、脚本にあるセリフや動作を俳優が自分で膨らませていき、それを福田さんが「面白いからやろう」とか「いらないかな」と取捨選択していく方法。俳優は余計なことを含めて思いきり遊んだり騒いだりするのが役割で、最終的には福田さんが編集できれいにまとめてくれます。放送で使うのは10分程度でしょうが、30分くらい撮るときもあり、放送では絶対使えないネタを延々としゃべっていたりします。

だから初めて参加する俳優は、「どこまでふざけて大丈夫ですか?」と戦々恐々。僕が唯一のレギュラーなので、稽古での本読みから率先して書かれてないことを言うように心がけています。福田さんは、とにかくワッハッハと笑ってくれるので、それがバロメーター。そうやって「勝手にやっていいんだ」という場の雰囲気をつくった上で、収録に臨みます。

僕は決してコントが得意なわけではなく、コントをやりたくてこの世界に入ったわけでもないのですが、コントは見やすいし、やるのもハードルが低いのがいいですね。僕たちやミュージカルのことを知らなくても笑えるように、福田さんが脚本を書いて演出してくれるので、そこは安心してお任せして、僕らは一生懸命ふざけています。

実際の楽屋では、番組のように男女が交じってみんなでおしゃべりすることはないので、ありそうでない空間かもしれません。『グリーン&ブラックス』は福田さんがつけたタイトルで、海外の劇場にあるグリーンルームというみんなが集まる部屋の名前からとったそうです。ブラックスは、さわやかなだけじゃなくて、毒づいたりもする僕や仲間のブラックな一面を表しているみたいです。

歌のコーナーは毎回2~3曲くらい。ゲストが出演したミュージカルの曲を歌ったり、有名な曲をみんなで歌ったりと、臨機応変に選曲しています。ポリシーは、歌うときは真剣に。コントは人となりを伝える場で、ミュージカル俳優ってこういう人たちで、こういう世界もあるんですよ、ということを面白おかしく見せる。一方、本業である歌のほうは本気でやろうと決めています。視聴者の方には、両方の面を見てもらいたいですね。

ミュージカルは舞台芸術だからどんどん消えていくし、全部の舞台がDVDやCDになるわけではないので、映像を残しておくことは大きな意味があります。僕と中川晃教くんが『モーツァルト!』の曲を歌う映像は初めてだったりとか、珍しい組み合わせや選曲も多いので、そこは頑張って取り組んでいます。

ミュージカル俳優のひな壇トーク

トークコーナーは、ミュージカル俳優のひな壇トークみたいなもの。福田さんが司会をされます。収録は2時間くらいぶっ通しで、テーマは舞台のあるあるネタだったり、新しいゲストをフィーチャーしたり、突っ込んだり。

僕は常々、ミュージカル俳優は絶対にトークができた方がいい、と後輩に言っています。終演後などにトークショーをやる機会も多いし、なにより自分の思いをちゃんと言葉で語れるに越したことはないですから。それを身をもって示している感じです。

コントやトークをやっていて、あらためて実感するのは、ミュージカル俳優ってラテン系気質というか、開放的で明るい人が多いですね。ミュージカルの世界観そのものが楽天的だし、歌って踊りたいと思って、この世界に入ってきた人たちですから。基本的にオープンマインドで、体を動かすのが大好きで、大きな声で表現したいという人たち。日本人には珍しいタイプかもしれませんが、僕はこの仲間たちが大好きだし、ミュージカルが自分のホームだと思っています。

井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第23回は6月2日(土)の予定です。

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