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入り口すぐのメインの平台に面陳列する(リブロ汐留シオサイト店)

入り口すぐのメインの平台に面陳列する(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。ここでも落合陽一・堀江貴文『10年後の仕事図鑑』(SBクリエイティブ)がひとつ頭の抜けた売れ行きを示している。そんな中、店頭に並んですぐに売れ行きを伸ばしていたのは、1990年代半ばにフジテレビから視聴率三冠王の座を奪取した日本テレビのテレビマンたちの群像を活写した本だった。

取材から浮かぶ企業改革の物語

その本は戸部田誠『全部やれ。日本テレビのえげつない勝ち方』(文芸春秋)。戸部田氏は「てれびのスキマ」という別名義を持ち、「テレビっ子ライター」を自称するライター。週刊文春などにテレビに関する様々な文章を書き、タレント論などの著作も多い。これまでは直接取材せずにテレビでの発言や書籍、雑誌に発表されたものを基に書くというスタイルだったが、今回は日本テレビの社員や元社員らに直接取材して、94年の年間視聴率三冠王奪取劇を描いた。テレビ界の裏方たちのドラマだが、ひとつの企業改革物語としても読める。そこにビジネス街の読者が反応しているようだ。

年間視聴率三冠王奪取の物語自体は、その当事者の一人、岩崎達也氏が『日本テレビの「1秒戦略」』(小学館新書、2016年刊)でフォーマット(番組編成)改革に焦点を当てて、詳述している。これに対し、本書は外部の人間が取材することで、三冠王奪取に関わった様々な日テレのテレビマンの思いや動きを書き留めているのが持ち味だ。特にクローズアップされるのは、ディレクターたち。「クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!」「マジカル頭脳パワー!!」「世界まる見え!テレビ特捜部」「進め!電波少年」「ガキの使いやあらへんで!」といったこの時期に始まった番組の作り手が、本書では生き生きと躍動する。

印象的な経営トップの関わり方

その一方で、そうした制作陣を支え、背中を強く押した経営層、幹部層への目配りも忘れない。とりわけ何人かの幹部たちから語られる当時の社長、氏家斉一郎氏のトップとしての姿勢が強烈な印象を残す。

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