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積立王子のヤング投資入門

顧客ニーズと顧客本位は別 毎月分配型投信のわな 積立王子のヤング投資入門(14)

2018/5/18

中野さんは「高齢者の投資家が陥った顧客ニーズのわなを他山の石にしてほしい」と訴える

前回の『ヒントは「ドクターX」 長期投資の金融機関選び』では、金融機関が昨年こぞって公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」の取り組み方針について、読み解き方を人気ドラマに重ね合わせて解説しました。

各社の宣言内容を見比べると、顧客ニーズに応えることを高らかに約束したものがやたらと目立ちます。しかし、金融庁が意図する顧客本位とは大きなずれがあります。多くの金融機関は勘違いしているのか、はたまた分からないふりをしているのでしょうか。

■「シェフの心意気」が顧客本位の原点

「顧客本位の業務運営」とは「顧客の最善の利益の追求」である、と金融庁は示しています。率直に言えば「専ら顧客のためにのみ仕事を全うする」と解釈できます。

レストランを例に挙げます。シェフはお客さんに心から「おいしい」と満足してもらうために、腕によりをかけて料理を作ります。その心意気が「顧客本位の業務運営」の原点です。

テレビ番組「ドクターX~外科医・大門未知子~」の主人公、大門未知子は顧客本位の最たるお手本です。医者は、最もレベルの高い「顧客本位の業務運営」を要求される職業。命にかかわる重篤な病にかかった患者は自らを治療できず、すべてを医者に委ねるしかありません。命を託された医者が、専門能力を駆使して治療に全力を尽くすことは自明の理と言えます。

また医者と患者の間には、医療に関する経験・知見・情報、執行能力の大きな格差があります。だからこそ医者は究極の「顧客本位の業務運営」が求められ、専ら患者の命を救うためにのみ職務を遂行する高い倫理観が必要とされるのです。

資産運用業も同じです。証券投資理論という高い専門性をもってポートフォリオを構築し、リスクとリターンが最適になるようにコントロールする職務であり、顧客である一般の生活者とは経験・知見・情報から執行能力まで大きな非対称性(格差)が存在します。このため医者と同じくらい高レベルの「顧客本位の業務運営」と高い倫理観が本来は求められるはずなのです。

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