紅茶スタンドが増加中 味も見かけも進化形
紅茶を提供するティースタンドチェーンが増えている。コーヒーと比べて、味わいのバラエティーに富んでいる上、見かけがきれいなものが多いのが特徴で、特に女性に人気が高い。大手コーヒーチェーンのタリーズコーヒーにも紅茶に力を入れた店舗が登場している。
タリーズの「&TEA」が六本木にオープン
2018年5月1日、タリーズコーヒージャパンは、紅茶メニューに力を入れた「タリーズコーヒー&TEA」を六本木一丁目にオープンした。17年10月に1号店となる「タリーズコーヒー&TEA横浜元町店」をオープンしており、今回は2店目。都心で働く女性を意識した、オフホワイトを基調とした内装になっている。
「&TEA」では、タリーズで提供されているコーヒーメニューに加え、「&TEA」でしか味わえないティーメニューを14種類ほど用意している。特に注目なのが、5月1日に発売したフローズンタイプの新しいドリンク「TEA SMOOTHIE(ティースムージー)」。凍らせたフルーツをミキサーにかけ、紅茶とブレンドしている。
「ベリーベリーアールグレイ」(税込み680円)はストロベリー、ブルーベリー、ラズベリーといった3種の果実にアールグレイティー、はちみつをブレンドした。ベリー独特の酸味と甘みにアールグレイの香りが加わるおしゃれな味わい。「シトラスグリーンティー」(税込み740円)はブラッドオレンジジュース、ホワイトグレープフルーツに抹茶とはちみつをブレンド。かんきつの上品な酸味に加え、抹茶の香りと軽い苦みが飲み終わった後味を引き締める。組み合わせの妙にうなった。
フレンチバニラロイヤルミルクティー(ホット、アイスとも税込み480円)もお薦めだ。テーブルに置いただけでもバニラのよい香りが立ち上がり、リッチな気分になる。甘さも適度でおいしかった。
食べ物にも力を入れており、パスタは独自メニュー。さらに、六本木一丁目店では代々木上原で手作りパンを販売するMain Mano(マンマーノ)とコラボレーションし、「&TEA」限定のティーフードを提供している。代々木上原の店舗で作ったものを六本木まで運んでいるのだという。
なぜ、紅茶に注目したのか?
タリーズが紅茶に力を入れ始めたきっかけは、数年前にロイヤルミルクティーを季節メニューとして販売したこと。タリーズコーヒージャパン広報室の山口さほりさんによると「その際に客の反応がよく、通年用意してほしいとの要望があった」とのこと。その後ロイヤルミルクティーは定番メニューになった。
さらに、「親会社である伊藤園から茶芸師の資格を持つ女性スタッフが入社したことにより、14年から紅茶専門のチームが立ち上がり、紅茶に本腰を入れるようになった」(山口さん)。同年5月にグレープフルーツのフルーツティーを期間限定で販売したところ、非常に好評で、季節ごとにフルーツを替えて提供するなど、フルーツティーも定番化したそうだ。
こうした経緯を経て「紅茶に対してのニーズに手ごたえを感じ、紅茶に特化した店舗を構えることを決意」(山口さん)。17年の元町店、18年の六本木一丁目店へとつながった。
タリーズコーヒー以外にも、良質な紅茶を手軽にリーズナブルな形で飲めるティースタンドが続々と登場している。以下ではロサンゼルスと台湾から3つのティースタンドを紹介する。
LA発、セレブリティー御用達のティースタンド
米国ロサンゼルス発の「ALFRED TEA ROOM」(国内運営はカフェ・カンパニー)は、17年10月31日に青山本店、ルミネエスト新宿店をオープンしたティースタンド。ドリンクメニュー開発には日本のティーマイスターである伊藤孝志氏が携わり、伊藤氏が世界中から厳選した茶葉を全てのティーメニューに使用している。店内はピンクを基調としており、ボタニカル調のドリンクボトルは持っているだけでも可愛らしい。ドリンクのほかに、スコーンなどのフードメニューも用意されている。
アルフレッド ミルクティー(ボバ入り)はボバ(タピオカ)が入っているロイヤルミルクティー。高級アッサムを使用して香り豊かだ。
台湾発のティースタンド「THE ALLEY」
「THE ALLEY(ジ アレイ)」は台湾を中心にグローバルに展開しており、日本では表参道、渋谷、新宿、恵比寿、自由が丘に店舗がある。ミルクティーやストレートティーが基本メニューだが、黒蜜や黒糖、緑茶など日本の食材を使ったメニューが特徴。ドリンクの温度は「冷(Cold)」「温(Mild Hot)」「熱(Hot)」から選べ、甘さも無糖や甘めなど注文時に店員に伝えると調節してもらえる。
「盆栽タピオカミルクティー」はアッサムミルクティーにココアクッキーをあしらえ、盆栽に見立てたユニークなもの。「ロイヤルNO.9タピオカミルクティー」はアッサムの茶葉にベリーの香りがする茶葉をブレンドした。タピオカは大きめで歯ごたえがよい。ドリンクの蓋がフィルムになっているのも特徴。持ち歩いてもほとんどこぼれる心配がなかった。
紅茶のほかに複数の茶葉を使用した「Gong cha」
06年に台湾で誕生し、現在世界中に約1400店舗を展開している「Gong cha(ゴンチャ)」は、日本に15年に上陸し、首都圏・関西圏に14店舗を構えている。「ジャスミン グリーンティー」「ウーロンティー」「ブラックティー」「阿里山 ウーロンティー」の4種類の台湾ティーをベースにメニューを展開しており、タピオカやアロエ、バジルシード、ナタデココなど豊富な種類のトッピングを選べる。茶葉によってお茶を抽出する温度や蒸らす時間を変え、抽出から時間の経過したお茶は一切提供しないことで、茶葉の香りの良さ、おいしさを保っている。
メニューは豊富に取りそろえている。甘さは、「なし」「少なめ」「ふつう」「多い」から選べる。普段ストレートティーをよく飲んでいる筆者は普通を選んだが、あまり甘くなかったので、多めでも問題なさそうだ。ドリンクのほかに、パイナップルケーキやレモンケーキなど、Gongchaオリジナルのフードも販売している。
(文 吉成早紀=アバンギャルド)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。