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「昔のがん保険が不安」 新規契約より保障の追加を 放射線や抗がん剤の通院治療もカバー

2018/5/15

写真はイメージ=PIXTA

 20年前、30歳のときにがん保険に加入しました。保障内容が今のがん治療の実情に合っていないように感じます。新しい保険に入り直す必要がありますか?

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 医療技術の進歩でがんの治療は変化している。厚生労働省によると、がん患者の数は2008年に入院と通院が逆転し、今では通院しながら治療する人の方が多い。がんによる入院日数も、14年には19.9日と99年から半減した。

 こうした実情に合わせ、がん保険の保障内容も変化している。古いがん保険の中には、20日以上継続入院しないと通院給付金がもらえない商品もあったが、今は入院より通院保障に重点を置いた商品が主流だ。

 がん治療の変化に合わせ、通院保障などを手厚くしようと新しい保険に加入し直すのも手だが、ネックになるのが保険料負担だ。

 ファイナンシャルプランナーの田中香津奈氏は「保障内容がシンプルな古いがん保険は保険料が割安なものが多い。年齢が上がって加入すると負担が大幅に増す恐れがある」と話す。

 大手生保が現在、販売するがん保険を例に取ろう。30歳の男性が入院や通院、手術、診断給付金、先進医療、保険料払い込み免除などを含む保障プランに新規加入すると保険料は月額3千~4千円程度。

 一方、同じ保障内容でも50歳男性だと月額8千円を超える。古い保険と単純に比べられないだろうが、加入中の保険より保険料はかなり上昇するはずだ。

 加入中の保険では物足りないという場合、最近では必要な保障だけを追加できる商品も増えてきた。

 アフラック生命保険が4月に発売した既契約者向け「生きるためのがん保険Days1プラス」は、診断給付金や先進医療給付金などを必要なだけ追加できる。例えば手術や通院、放射線、抗がん剤、ホルモン剤治療の保障を追加するプランなら、50歳男性は1240円の保険料増で済む。

 チューリッヒ生命が4月に発売した「終身ガン治療保険プレミアムDX」は、主契約を自由診療も含む所定の抗がん剤治療や放射線治療に限定。入院給付金などは特約で付ける設計なので、入院保障主体の古い保険に入っている人でも保障内容が重複しない。

 先進医療の保障のみ単品で加入できるのが損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の「リンククロス コインズ」。加入時の年齢性別を問わず保険料は500円。先進医療費用を通算2000万円まで保障する。古いがん保険には先進医療特約を付けられないものもあるので選択肢になりそうだ。

 治療方法の変化や自身の生活設計に合わせ、必要な保障は変わっていく。田中氏は「今ある保険はそのままに、必要な保障だけ追加するのが賢い見直し方法だ」と助言している。

[日本経済新聞朝刊2018年5月12日付]

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