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しょうゆ、味噌から偶然誕生? 世界で愛される調味料 30の発明から読む日本史(3)しょうゆ=室町時代

2018/6/2

和食の味つけに欠かせないしょうゆ 写真はイメージ=PIXTA

 醤油(しょうゆ)は、味噌から偶然生まれたという説がある。その後醤油は日本人の嗜好に合い、計画的に造られるようになっていく。醤油の普及によって、日本人の食生活は劇的に変わったといっても過言ではない。そのまま調味料として使う、あるいは醤油をベースとした調味料を使って料理を作るなど用途は数え切れないほど多く、和食の基本的な味つけには欠かせない。もとは関西で生まれた醤油が江戸近郊でも造られるようになり、世界中で愛されるようになった経緯を追ってみよう。シリーズ3回目は醤油を紹介する。

■世界100カ国以上で愛される理由

 和食に欠かすことができない醤油は、近年、アメリカのほとんどのスーパーマーケットに置かれるようになっています。ヨーロッパでも主要なスーパーマーケットで売られており、認知されています。

 昭和48(1973)年、日本の企業がアメリカで醤油の醸造をはじめたのが、醤油の海外生産の嚆矢(こうし)です。その後、日本食が世界的なブームになったことで輸出量や海外での生産量が増え、今では、世界100カ国以上で醤油が使われています。

 醤油は「旨(うま)味」「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」の5つの味のバランスで風味を構成しています。それらは、大豆と小麦に含まれる成分が、醸造の過程でさまざまな味や香りの成分に変化し、さらに相互に作用して誕生したものです。

 醤油の香り成分は、現在確認されているだけでも約300種類に上ります。代表的な成分はHEMFというフラノン化合物で、本醸造醤油のカラメルのような甘い香りの主成分です。

 ほかに果物や花の香りの主成分であるエステルやカルボニル化合物群などが含まれています。さらにコーヒーやハム・ソーセージなどの香り成分である、フェノール化合物類なども含まれています。

 つまり、果物・花・コーヒーなどの成分がバランスよく配合されているのが、醤油なのです。この香りが魚介類や肉類の生臭さを消すという働きをし、加熱すれば香ばしさを増します。

 ただし、約300種類の香りといっても、特定の香りが目立ちすぎることはなく、全体に調和して独特の香りを醸し出しています。

■味噌造りから生まれたたまり醤油

 醤油の起源をたどると縄文時代に行きつきます。縄文晩期の遺跡から、「魚醤」らしきものが出土しています。魚醤とは、塩漬けにして発酵させた魚介類のことです。

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