検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

血中のビタミンD濃度 高い人はがんになりにくい

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

血液中のビタミンDの濃度が高い人は、がんを発症するリスクが低いことが、日本人を対象とした研究で明らかになりました。

日本人約3万4000人のデータを分析

ビタミンDは骨の健康の維持に不可欠な栄養素で、サケやイワシ、サンマ、シラス干しなどの魚や、きくらげ、干ししいたけなどのきのこに多く含まれています。近年、骨の健康維持以外に、いくつかの慢性疾患のリスクを低減する可能性を示す報告が続いており、動物実験などではがん予防に有効である可能性も示されていました。

今回、国立がん研究センターの研究者たちは、日本人を対象に、血液中のビタミンD濃度とがんのリスクの関係を調べることにしました。

食物から摂取したビタミンDと、紫外線を浴びることにより体内で生成されたビタミンDの大部分は、血液中を長期間循環します。したがって、これを測定すれば、ビタミンDの過不足を知ることができます。

対象となったのは、多目的コホート研究「JPHCスタディ」に参加した、東北から沖縄までの9つの保健所管内に住む40~69歳の人々です。1990年または1993年の時点で、がんとの関係が示されている要因(年齢、性別、喫煙、飲酒、身体活動、がん家族歴、糖尿病の既往、BMIなど)に関する情報が得られており、同時に採血を受けていた3万3736人を、2009年12月31日まで追跡して、登録後のがん診断の有無を調べました。

おおよそ16年の追跡で、3734人ががんと診断されていました。メラノーマ以外の皮膚がん患者を除外し、データに不足があった患者や血液標本の量が不十分だった患者などを除いた3301人を分析対象にしました。

また、採血の時点で選出した4456人のうち、がんと診断されたグループと同様の条件を満たした4044人を対照群としました。

血中ビタミンD濃度は季節によって変動するため、採血時期を考慮したうえで、分析対象になった人々を、値が最も低い人から最も高い人まで並べて4つのグループに分け、血中ビタミンD濃度が最も低いグループと比較した、それ以外の3つのグループのがんのリスクを推定しました。

血中のビタミンD濃度はがんのリスクと逆相関

その結果、血中ビタミンD濃度は、がん全体のリスクと逆相関関係を示しました。血中濃度が最も低かったグループと比較すると、2番目に低かったグループのがんリスクは19%低く、2番目に高かったグループでは25%低く、最も高かったグループでは22%低くなっていました。

ビタミンD濃度が最も高かったグループのリスクが、2番目に高かったグループより低くならなかったことは、ビタミンD濃度が一定レベルを超えると、利益が頭打ちになる可能性を示唆します。

臓器別では、胃がん、大腸がん、結腸がん、肝臓がん、肺がん、前立腺がん、乳がんのうち、肝臓がんリスクとビタミンD濃度の間に逆相関関係が見られました。血中濃度が最も低かったグループと比較すると、2番目に低かったグループではリスクは30%低く、2番目に高かったグループでは35%低く、最も高かったグループでは55%低くなっていました。

得られた結果は、ビタミンDにはがん予防効果があるという仮説を支持しました。対象となった人々の、サプリメントを含むビタミンD摂取の状況や、日光に当たっていた時間は不明です。ただし、ビタミンDサプリメントを使用していた人を除外した集団を対象に分析しても、結果は上記と同様でした。

ビタミンDの過剰摂取は高カルシウム血症や腎障害を引き起こすことから、安易にサプリメントに頼らず、健康的な食事を取り、適度に日光を浴びるほうが、利益は大きくなると考えられます。

論文は、2018年3月7日付の英BMJ誌電子版に掲載されています[注1]

[注1] Budhathoki S, et al. BMJ. 2018 Mar 7;360:k671. doi: 10.1136/bmj.k671.

大西淳子
 医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday2018年5月2日付記事を再構成]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_