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学者も「なんじゃこりゃ」 奇妙な体勢の深海生物

日経ナショナル ジオグラフィック社

2018/6/1

ナショナルジオグラフィック日本版

 メキシコ湾で、奇妙な姿をした深海生物が見つかった。新種の可能性がある。2018年4月17日、米国の海洋大気局(NOAA)の調査船オケアノス・エクスプローラーの無人探査機が、メキシコ湾西部の深海を調査したときの映像だ。

 「海底に暮らすかわいらしいタコは、たくさんいます」と語るのは、米コネチカット大学のイカ専門家サラ・マカナルティ氏だ。「この生物は、色はコウモリダコみたいで、体勢がびっくりするほど奇妙。それに泳ぎ方もオウムガイそっくりです」

 この深海生物はイカと考えられている。体は深い赤色で腕は短い。「なんじゃこりゃ、とまず思いました」と話すのは、深海調査に参加したNOAAの生物学者でイカの専門家マイク・ベッキオーネ氏だ。

 謎めいたイカの正体はまだわからない、とベッキオーネ氏とマカナルティ氏は語る。新種の可能性はあるものの、ベッキオーネ氏はウチワイカ(学名Discoteuthis discus)だと考えて調査を続けている。

 ウチワイカは、大西洋の熱帯海域で、体の一部が底引き網にかかることがある。今回撮影された生物がウチワイカなら、「生きている姿が撮影されたのは今回が初めて」(ベッキオーネ氏)だという。

 今回の珍しいイカの発見だけでなく、深海にはこれからも海洋生物学者を驚かせることがたくさんあると、二人の研究者は口をそろえる。「深海は生命の広大な生息域ですが、そこに何がすんでいるのか、私たちはほとんど知りません」と、ベッキオーネ氏。「深海を調査するたびに、新発見があるのです」と同氏は結んだ。

(日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 2018年4月24日付記事を再構成]

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