チーズ味「カップヌードル」 濃い味ブームでブレイク
2017年4月以降、新発売でもないのに売り上げが突然跳ねた商品がある。日清食品の「カップヌードル 欧風チーズカレー」だ。リニューアルも新CMもなく、「特別なマーケティングをしたわけではない」(日清食品の藤野誠ブランドマネージャー)。縦型と濃い味の人気に相乗した。
即席麺市場は袋麺が縮小する一方、カップ麺が伸長している。特にここ数年は、「縦型」の存在感が増し、ヒット商品も誕生。時短志向を背景に、複数の小袋を投入する丼型よりも簡便な点が再評価され、縦型売り場が急拡大している。
その流れに乗ったのが、実は2000年から売られているチーズカレー(現・欧風チーズカレー)だ。従来、カップヌードルの棚はレギュラー、シーフード、カレー、チリトマトの「四天王」や新製品が占拠。欧風チーズカレーは一部店舗に置かれている「代打要員」だった。ただし、扱っている一部の店ではチリトマトを上回る売れ行きを見せることもあり、「打席にさえ立てれば売れることは分かっていた」(藤野氏)。
そこで同社はこの実績を手に小売店に営業攻勢をかけ、17年4月の棚替え時に一挙に販路を広げた。濃厚なビーフカレーにチーズを溶かし込んだスープが本格的な味を好む女性にヒット。濃い味ブームもあり、ブレイクした。
18年はカップヌードル カレーの発売45周年に当たる。秋以降には欧風チーズカレーを含めて本格的な販促策を仕掛ける。代打が一躍、スタメン入りを果たしそうだ。
(ライター 高橋学)
[日経クロストレンド 2018年5月7日の記事を再構成]
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