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以心伝心は幻想 人間関係力はトレーニングで向上する

齋藤孝先生の「大人の人間関係力」講座(1)

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日経ビジネスアソシエ

「コミュニケーションが苦手」という人は多い。しかし、正しく学ぶ機会を得られれば、コミュニケーション能力は何歳からでも鍛えられる。『声に出して読みたい日本語』などを著した明治大学文学部の齋藤孝教授が「伝える力」について解説する。

  ◇  ◇  

「話が下手」「人に会うのが億劫(おっくう)」「上司との相性が悪い」……。

第一線で活躍しているビジネスパーソンから、こんな悩みを打ち明けられることがよくある。「コミュニケーションは苦手」と思い込んでいる人が少なくないようだ。

だが、日本人のコミュニケーション能力は決して低くはない。「あうんの呼吸」という言葉に象徴されるように、すべてを語らなくても分かり合えたり、相手の表情から本音を見抜いたり、その場の空気を読んで発言を変えたりできるのが、日本人だ。言葉を介さず、以心伝心で意思疎通を図れるという意味では、むしろ私たちは、エスパー級のコミュニケーション能力を持っていると言えるだろう。この点について、すべての日本人はもっと自信を持つべきだ。

トレーニング次第で「人間関係力」は向上する

ただ、こういう「交信」が通用するのは、長年同じ環境を過ごした家族や友人、気が合う仲間内だけということが多い。いわばガラパゴス的な能力なのだ。

現代社会では、仲間内だけで通用するビジネスなど、ほとんど存在しない。むしろ、どんな人とでも積極的に交流することが求められる。

特に昨今のコミュニケーションの手段と言えばまずメール、ということも多い。メールは便利なツールだが、対面で話すのに比べ、誤解を招く点もあり、双方の距離感を縮めることが難しい。伝達手段が便利になった現代だからこそ、高いコミュニケーション能力が求められる。

ところが私たちは、学生時代から今日まで、こういう能力を本格的に鍛える場を持っていなかった。素質はあるのに、それを磨いてこなかったわけだ。「苦手」と思う人が多いのは当然だろう。

野球選手としての素質があっても、トレーニングしなければ才能は開花しないように、コミュニケーション能力も、トレーニングしないと上達しない。言い換えれば、トレーニング次第で人間関係力はアップするのだ。

伝えたことは思う以上に伝わっていない

例えば、コミュニケーションの「基本のキ」である「伝える力」について考えてみよう。

あなたは人から聞いた内容を、別の人に正確に伝えることができるだろうか。実はこれが意外に難しい。

例えば、「伝言ゲーム」を思い出してほしい。私はセミナーなどで講師を務める際、参加者にこのゲームをやってもらうことがあるが、大の大人でも惨憺(さんたん)たる結果に終わることが多い。5人以上を1チームにして伝言すると、「当初の言葉」は良くて半分、悪ければ3分の1以下しか伝わらない。しかも、当事者たちは「100パーセント伝えた」と思い込んでいる。自覚がなければ、改善のしようもない。

日常の仕事でもこの調子だとすると、かなり危うい。顧客からの発注内容の意味を取り違えていたり、社内の上層部に曲解されて伝わっていたりすれば、重要な判断を誤るかもしれない。少なくとも、顧客からの信用はガタ落ちだろう。

必要なのは、才能や人間性ではない。「100パーセント完璧に、伝言できていないかもしれない」という謙虚さと、それを補うトレーニングなのだ。

メモを取ってまとめる習慣で「伝える力」を高める

では、どんなトレーニングをすればいいか。まずは「メモを取る癖をつける」こと。例えば会議や商談の場で、手を動かしていない人は意外に多い。驚異的な記憶力を持っているならともかく、それほどでもないと自覚しているなら、メモを取ることで記憶を確かなものにしよう。「キーワード」や「キーフレーズ」を記すだけでも、伝わる確率は高まるはずだ。

ただし、これは「インプット」の話。アウトプットまでワンセットにして初めて、「伝える力」になる。しっかりと伝えるためには、メモをもとに会議や商談の内容をまとめた「議事録」を作成し、出席者全員にメールで送っておくことだ。漏れや誤解があれば指摘してもらえるし、こうした「記録」は先方からも重宝されるだろう。

ここまでしなくても、相手の発言を受けて、「それはこういうことですか?」とその場で確認するぐらいのリアクションがあってもいい。逐一やると煙たがられるので、長い発言の後などが狙い目だ。

そしてもう1つ、「要約力を高める」ために、新聞や雑誌の活用を勧めたい。適当な記事を読んで自分なりに要約し、声に出してみよう。聞き手がいなければ、1人でつぶやくだけでもいい。この時、「3分で読んで1分で要約し、1分で話す」といった制約を課すと、ゲーム感覚で楽しめる。まずは2週間、これを毎日繰り返せば、「要約脳」がかなり鍛えられ、「伝える力」は確実に向上する。

会話のツールがどんどん変化し続けている時代だからこそ、うまく意思疎通が図れなかったり、人間関係でストレスを感じたり、ミスしたりすることはあるだろう。それを防ぐためにも、「伝え方」などを日々ほんの少し意識してトレーニングを重ね、「大人の人間関係力」を身につけてみてはどうだろうか。生きるのがずっとラクになるはずだ。

「伝える力」がアップする3つのポイント
 
1 「メモ」を取る癖をつける

 雑談はともかく、仕事上で人と話す際は必ずメモを取ろう。キーワードやキーフレーズを書き残すだけでいい。ここから相手の話を再現できれば完璧。こうした姿勢は、相手からも好感を持たれる。

2 「メモ」から「まとめ」を作成する

 会議や商談で決まったことを、箇条書きで整理して配布すれば、出席者全員に感謝されること間違いなし。会議中、ホワイトボードに出席者の発言要旨を書き出す役を買って出る手もある。

3 新聞・雑誌の記事を要約する

 読み流すのではなく、最初から誰かに伝える気で読めば、内容の吸収度は高まるはずだ。要点を簡潔に、順序立てて説明できるかどうかがポイントになる。まずは2週間、これを毎日繰り返せば、「要約脳」がかなり鍛えられるはずだ。

(まとめ 島田栄昭)

齋藤孝

 1960年静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。2001年に出した『声に出して読みたい日本語』(草思社・毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームに。ビジネスに役立つ「人付き合いのコツ」が紹介されている『大人の人間関係力』(日経BP社)が好評発売中。

[齋藤孝著『大人の人間関係力』を再構成]

大人の人間関係力

著者 : 齋藤 孝
出版 : 日経BP社
価格 : 1,620円 (税込み)

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