出世ナビ

長寿企業を変える

まず管理職から在宅勤務 働き方超える「生き方改革」 カゴメ(下)

2018/5/15

カゴメの寺田直行社長は「働き方の改革は生き方改革」と説く

 「株主10万人構想」を2001年に打ち出すなどして、時代の先端を歩んできたカゴメ。次の100年に向けて取り組んでいるのが「働き方の改革」だ。「働き方の改革は生き方改革である」と語る寺田直行社長の思いと戦略を聞いた。(前回「『開かれたカゴメ』へ サラリーマン社長たちの改革魂」参照)。

◇  ◇  ◇

――2018年の最重要課題に働き方改革を掲げていますが、具体的には何を指すのでしょうか。

 「少し細かい話ですが、当社の場合は『働き方改革』ではなく、『働き方の改革』と呼んでいます。政府が音頭をとっているから何かやろうという意味では全くない。会社を変えるために必要不可欠な施策であり、もっと言えば、社員一人ひとりの生き方を変えるのが働き方の改革であると思っています。年に4回発行する社内報や、全体の朝礼でも必ず発信するほど重要な改革だという位置付けです」

 「社長に就任した際(2014年)、真っ先に取り組んだのは午後8時以降の残業禁止でした。これは何かと言えば、仕事の期限を決めるということ。以前はだらだらと夜遅くまで働くことが社内にまん延していましたが、午後8時以降は照明を消すなどして残業禁止を徹底した結果、初年度には残業を26%も削減できました。それだけ無駄な残業が多かったということです」

 「今は2020年までに年間の総労働時間を1割削減し、1800時間にすることを目標にしていますが、これは単に労働時間を減らすことだけが目的ではありません。一人ひとりの生活をより豊かにしていく。そのために会社以外の時間を大切にしましょうということです」

 「総労働時間1800時間は、1年365日の2割でしかありません。一方、通勤時間や睡眠時間を除いたそれ以外の『可処分時間』は全体の38%もある。この時間をどう過ごすのかで、人生の豊かさや職業人としての成長の度合いも変わってきます」

 「労働時間を減らしながら、同時に、それによってあがる成果も見る。残業をかなりして成果を出した人と、1800時間以内で成果を出した人がいれば、後者のほうをより高く評価します。時間内で成果を上げれば評価は高まるわけで、残業代が減っても、最終的には年収も増えます。2019年からは副業も解禁していこうと思っています。働き方の改革は生き方改革だという考え方に基づけば、禁止する理由がありません」

■上司から率先して有給を取り、「在宅勤務」する

――時差勤務制度も18年4月から導入したそうですね。

 「以前はサマータイム制度としてあったものを、選択制の時差勤務に変えました。始業時間を午前7時30分から30分刻みで午前10時まで選べるようにした。1カ月に最大8日間使える在宅勤務制度も17年から導入しています」

――在宅勤務の利用者は子育て中の女性が多いですか?

 「そうでもないですね。男性や管理職も取っています。在宅勤務の取得に関しては、まんべんなくという感じです」

 「営業の管理職でも、得意先を訪問した翌日とか、1日はとにかく集中して情報を整理したいときがある。そういう場合、在宅勤務をするんです。すると、仕事にメリハリがつく。今は有給休暇取得率80%を達成目標に掲げていますが、在宅や有給休暇に関しては、管理職から率先して取りなさいと言っています。上司がいつまでも会社に残っていると、残業時間が増える要因にもなる。上が変われば、下も休みやすくなります」

出世ナビ新着記事

ALL CHANNEL