eJリーグにeW杯、五輪も ゲーム飲み込むスポーツ界IOCが議論開始、本命は24年パリ五輪か

ゲームのなかの仮想空間とはいえ本物の試合中継を見ているよう(5月4日、東京都文京区のJFAハウス)
ゲームのなかの仮想空間とはいえ本物の試合中継を見ているよう(5月4日、東京都文京区のJFAハウス)

かつてビデオゲームというと、部屋に閉じこもって遊ぶ不健康なイメージがあった。それが今や「e(エレクトロニック)スポーツ」として脚光を浴び始めた。ネットワークを介し、複数のプレーヤーが対戦する。若者の人気は絶大で、将来の五輪種目入りもささやかれる。2020年に東京五輪・パラリンピックを控えた日本でも、期待が高まってきた。

一瞬の判断ミスが勝敗を分ける(手前が優勝したかーる選手、東京都文京区のJFAハウス)

右サイドからドリブルで切り込むロナルド選手。フェイントでディフェンスをかわし、ゴール前にクロスボールを上げる。そこにネイマール選手が頭から飛び込み、ゴール!

Jリーグは5月4日、eスポーツ大会「明治安田生命eJリーグ」の決勝ラウンドを開催した。対戦プレーヤーの間に置かれた大型スクリーンには、一流選手の華麗な技が映し出される。ゲームとはいえ、本物の試合中継を見ているようで、会場の観客からはどよめきが上がる。試合はインターネットでも生中継された。

予選ラウンドを含めて182人の参加者の頂点に立ったのは、プロゲームプレーヤーのかーる選手(26)。Jリーグの優勝チームと同じように、村井満チェアマンから銀色の優勝皿が贈られた。同選手は国際サッカー連盟(FIFA)が8月に開催する「eワールドカップ」の予選出場権も獲得。記者会見では、緊張の面持ちで「頑張りたい」と「日本代表」としての抱負を語った。

これまでもゲーム会社が主催するeスポーツ大会はあった。eJリーグが画期的なのは、リアルのスポーツ界からの参入であることだ。村井チェアマンは「日常から離れて楽しむのがスポーツと考えれば、従来のサッカーもビデオゲームも同じ」としたうえで、「サッカーになじみのない人が面白さに気付くきっかけになれば」と語る。

全国の各クラブでゲーム体験会も

背景にはファンの高齢化がある。Jリーグの試合に足を運んだ人のうち20歳代以下の割合は2002年まで50%を占めていたが、17年は24%と半分以下に落ち込んだ。少子化に加え、若い人がスポーツに関心を持たなくなっているためだ。

村井チェアマンはeJリーグで、こんな構想を描いている。各地でサッカー教室を開いているように、ゲームの体験会を開く。競技会も定期的に開催し、そこで勝ち上がってきたトップ選手がeJリーグで腕を競う。実際、5月4日の決勝ラウンドにはJクラブがスカウトを兼ねて視察に訪れていた。将来は各クラブがゲームチームを持つ可能性がある。