株式投資ほどのリスクは取れないが、分散投資でリスクを下げつつ少しでも資産を殖やしたい。こんなニーズに応えた商品として、投資信託が人気を博している。ただ、一口に投信といっても中身は多種多様。自分に合った商品を見つけるには、どうすればいいのか。投信初心者の疑問をファンド・アナリストの吉井崇裕氏が分かりやすく解説する。
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Fさん(以下、F) 将来に向けて少しずつでも資産形成をしようと思い、「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」を始めようと考えています。運用商品の投資信託はどう選んだらいいでしょうか。
吉井崇裕(以下、吉井) 将来に向けてとのことですが、運用期間や投資額はどれくらいを想定していますか。
F 期間は特に決めていませんが、10~20年後には子供の教育費や住宅購入資金が必要になると思うので、それに備えたいと考えています。投資額は毎月の給与から月1万~2万円くらいをコツコツと投資に回せればと。
吉井 関心のある商品はありますか。
F 長期の積み立て投資なので、値動きが大きい株式投信で積極的に運用したいと考えています。それで、どれを選ぶか悩んでいます。
吉井 まず投資先の地域は分散した方がいいと思います。つみたてNISAの対象となる投信は国内、先進国、新興国に分かれているので、それぞれの地域で1本ずつ選ぶか、あるいは「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」のように全世界の株式に投資するものを1本選んでもいいでしょう。
F 先進国と新興国の株式はコストの安いインデックス型投信にしようと考えています。国内株式は幾つか選択肢があるアクティブ型投信から選ぶのがいいかなと思っているのですが、どうでしょう。