リーダーが語る 仕事の装い

着こなしは己のブランド構築 経営学は「装い」に通ず 一橋大学大学院教授 一條和生氏

2018/5/13

 アカデミズムとファッションというと縁遠い間柄と思われるかもしれない。ましてや経営学となると……。しかし、一橋大学大学院経営管理研究科(一橋ビジネススクール=HUB)で、国際企業戦略専攻(一橋ICS)の専攻長を務める一條和生教授は意外な共通点を指摘する。ファッション産業人材育成機構(IFI)ビジネススクール学長でもある一條教授に聞いた。




 ――ファッションに強い関心をお持ちだとうかがいました。

 「私は経営学者ですが、経営学の中でもイノベーション、革新に一番関心を持っています。『知識創造』と呼ぶものです。常に自分も革新的でありたいし、革新的な生き方をしたい。周りから『やっぱり一條は革新的だな』と、見られるような生き方、振る舞いをしたいと考えています。常に新しいことに挑戦していなければ、イノベーションを研究することなどできないと思うからです」

 「もともとは労使関係を研究していましたが、(著書『知識創造企業』で知られる)野中郁次郎氏や竹内弘高氏との出会いによって、経営へと興味関心が移りました。そして経営学の世界的な中心である米国へ留学、さらに欧州へと活動の場を広げてきました。現在も世界中を飛び回っています。自分自身で変化を遂げてきたと思っていますし、これからもそうあり続けたいと思っています」

■自分の生き方に合ったものを着る

 「こうした自分の生き方に合ったものを着たいと思っています。ですから、服ではプラダが圧倒的に大好きです。プラダは常に革新的なのです。特にデザイナーのミウッチャ・プラダ。彼女は創業者の孫娘で、ミラノ大学で政治学を勉強して博士号まで持ってます。理知的でありながら、ファッションの世界においても存在感を持ち、常に時代の最先端をいっています。単にスタイルやブランドとして有名だということではなく、その思想に共鳴しているのです」

一橋大学大学院教授 一條和生氏

 「プラダとの出合いは大きかったですね。よく覚えているのですが、2001年ごろ、ミラノのモンテ・ナポレオーネ通りにあるプラダに行ったときのことです。ある有名ブランドのマオカラーのスーツを着ていたのですが、店員から『オールドスタイル』と言われたのです。『じゃあ、新しいのを買うよ』と一揃(ひとそろ)い買って、それまで着ていたものは全部捨ててしまいました。それからというもの、服はプラダです」

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